2005年2月18日(金)「しんぶん赤旗」 憲法調査会から財政・司法で討議吉井・塩川両議員が発言衆院憲法調査会が十七日開かれ、午前は「財政・地方自治」について自由討議が行われました。 日本共産党の吉井英勝議員は、日本の財政状況について、歴代の自民党政府が赤字国債を常態化させた結果、国の長期債務残高が五百兆円を超えたと指摘。財政悪化の原因について憲法に「財政健全化」規定がないことに求める主張を批判しました。 吉井氏は、直接税中心、累進課税などの原則により所得再配分機能を果たしてきた日本の税制が、消費税導入や累進制緩和により貧富の差を拡大させたとのべ、定率減税の縮小・廃止や消費税増税に反対しました。 吉井氏はまた、私学助成が憲法八九条に抵触しないことは、政府の一貫した見解であり、学説、判例でも確立しているとのべ、自民・民主両党議員の一部が主張する「私学助成違憲論」を批判。地方自治については、道州制の導入は財界が進める新自由主義的な改革のうけ皿だとして批判しました。 自民・民主両党の議員からは、道州制導入の主張が多く出され、公明党の議員は道州制導入に消極的だと主張しました。 午後は、「司法・改正・最高法規等」について自由討議が行われました。 日本共産党の塩川鉄也議員は、違憲審査制度について、具体的な事件の審理を通じて憲法判断を行う現行の「付随的審査制」は、下級審から最高裁まできめ細かい判断が行えるとのべ、最高裁が憲法判断を回避する背景には政権政党による任命制の政治的利用などがあると指摘。憲法裁判所の導入では問題が解決しないとのべ、導入論を批判しました。また、過半数の議員の賛成で改憲を発議したり、国民投票を削除するなどの改正要件緩和は改正の限界にあたると主張しました。 自民・民主両党の議員からは、憲法裁判所の設置を求める主張が多く出されました。 |