2005年2月16日(水)「しんぶん赤旗」

大阪・寝屋川教師刺殺事件

「おとなしい子がなぜ」

少年の近所の女性も絶句


 大阪府寝屋川市の市立小学校の卒業生の少年(17)が、刃物を持って母校に侵入し、教職員三人が殺傷された事件から一夜あけた十五日、同校は臨時休校となり、教職員が鎮痛な面持ちで登校し、衝撃の深さを物語っていました。

 校門横のフェンスには「子どもを守ろうみんなの目と心で」と書かれた看板。その横には学校の関係者が手向けた花束が置かれ、雨にぬれていました。

 「あのおとなしい子がなぜ!」と話すのは、少年の住む近所の女性。「小さいときは神社で一緒に遊んでいましたが、だんだん外で遊ぶことがなくなりました。『ふろに入っていても本を読んでいた』とお母さんが心配していました。でも、最近も朝、専門学校にいっていたようで、あいさつもきちんとした子。ショックです」

 有名デパートで働く父親。母親は市役所で最近までパートで働いていましたが、最近になって辞めて専業主婦でした。近所の主婦は「朝は犬と散歩にでていましたし、引きこもっていた様子もありません。三人の姉たちも頭が良く有名大学に進んでいます。本人も大検をめざして図書館にも行って勉強していました。プレッシャーだったのでしょうか? なぜ、あんなことを…」と絶句します。

 少年は、寝屋川署捜査本部の調べに対して、事件当日「学校の近くで包丁(二本)を買った」と供述。在学当時の担任を訪ねて、同小にいったと話しています。また、「殺すつもりでやっていない」と殺意を否認しましたが、「悪いことをした」と反省の言葉も述べたと言われます。


「子の心のケア大切」
学校で父母説明会

 大阪府寝屋川市の市立中央小学校では十五日夜、父母に対する説明会があり、終了後、坂根博一校長、市学校教育部次長らが記者会見しました。

 午後七時三十分から一時間にわたった説明会には約六百人が参加。子どもの心のケアとして「子どもの話をよく聞いてあげて安心させることが大切」などの臨床心理士の話があり、校長らが経過を説明しました。

 同校長は「一番は亡くなった先生のごめい福を祈り、入院している先生の回復を願っていることを強調しました」とのべました。

 参加した男性(45)は「学校からは事件の経過について説明があり、今後、臨床心理士のスクールカウンセラー三人を置いて子どもの心のケアにあたることなど話がありました。学校の対応には納得できました」と話していました。

 会場の参加者からは「おとなが団結しないといけない」といった意見や「亡くなった鴨崎満明先生のクラスの児童と、入院している先生の児童が一番ショックをうけているのでしっかりしたケアをしてほしい」という要望が出されたといいます。

 同校は引き続き十六、十七日は休校にし、教師が家庭訪問に当たり、十八日から授業を再開することにしています。



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