2005年2月15日(火)「しんぶん赤旗」 教基法改悪阻止へ共同3・26大集会の成功誓う全教定期大会終わる
東京都内で開かれていた全教(全日本教職員組合)の第二十二回定期大会は十三日、三日間の日程を経て閉幕しました。教育基本法改悪法案の国会提出が狙われる緊迫した情勢のもとで、一万人規模の「3・26大集会」(東京・有明コロシアム)を成功させ、憲法と教育基本法を生かした学校と教育づくりに全力をあげようと白熱した討論がおこなわれました。 大会では、日本共産党の石井郁子衆院議員、全労連の坂内三夫事務局長が来賓あいさつしました。 選出された新役員は次の通りです。(敬称略、新以外は再任) ▽委員長=石元巌▽書記長=東森英男▽副委員長=岡田愛之助、新堰義昭、谷正比呂、長谷川英俊、本田直子(新)、山口隆(新) 討論から宗教者と共同/子育て集会/高校生と憲法対話「3・26大集会」をなんとしても成功させようとの決意を込めた発言がありました。山口県高教組の代議員は、「いまが教育基本法の改悪を許すかどうかの正念場。やれることをやりつくそう」と論議し、六十を超える分会から百五十人が参加する予定だと発言しました。 「教職員組合の存在意義をかけてたたかおう」と運動していると発言したのは京都府立高教組の代議員。京都で教育基本法改悪反対集会を千三百人の参加で成功させたとのべ、大集会に向けさらに一人ひとりの教職員に働きかけていくと語りました。 教育基本法改悪を許さないと職場・地域で共同を広げている発言が次々でました。 愛知県の愛高教の代議員は、教育基本法改悪反対のアピールを決議している真宗大谷派と対話しようと、東三河地域にある同派の寺院をすべて訪問し、協力を訴え、五十部、百部と教育基本法問題のパンフレットを置かせてもらっていると報告しました。 「子どものことを語り合えば、教育基本法の問題もわかってもらえる」と発言したのは、岐阜県教職員組合の代議員。地域住民と一緒に実行委員会形式で「子育てのつどい」を開き、携帯電話の着信メロディーが「君が代」のお父さんが警備に当たってくれたエピソードを紹介しました。 高校生と一緒に憲法問題を考えているとの発言が各地からありました。 大阪の府高教の代議員は、高校生を対象に「あなたの意見を送ってください」と書いた憲法リーフレットを配布したと報告。北海道高教組の代議員は、「憲法改正に賛成or反対?」の高校生向けビラを高校の門前で配布し、組合員も元気になり、ビラのクイズに回答するメールも高校生から続々寄せられていると紹介しました。 十四の高校で「9条の会」を結成しているとのべたのは長野高教組の代議員。「父母・教職員のつどい」では高校生も報告者として活躍していると発言しました。 教育基本法改悪と軌を一に、一部のエリート育成のための「教育改革」がすすめられています。 兵庫県の高教組の代議員は、高校同士で差別がない総合選抜制の廃止が狙われる明石市で廃止反対の十万枚のビラを市民が配布し、住民投票を求める運動になっていると報告。西宮市や神戸市でも、「地域の教育のことは地域住民が決める。なぜ教育委員会が決められるのか」との声があがっているとのべました。 和歌山県の高教組の代議員は、高校統廃合により半年後の募集停止を発表された高校で、地域住民の怒りが爆発し、短期間に十三万人の存続署名が集まったと報告しました。 滋賀の滋高教の代議員は、全県一学区を狙った条例が県議会で強行可決されたにもかかわらず、反対運動が高まり、条例の凍結を求める署名に発展しているとのべ、こうした「教育改革」が教育基本法改悪と一体のものであるという怒りが広がっていると発言しました。 大阪の大教組の代議員は、現在の「教育改革」攻撃と教育基本法の改悪とが一体のものであり、東大阪市では二学期制を押しつけようとする動きに、PTAが立ち上がり、教職員も励まされていると報告しました。 愛媛県教組の代議員は、「ひとしく教育を受けられるべきだと思いますか、生まれもった能力によって教育が受けられるようにすべきだと思いますか」と教育アンケートにとりくみ、教育基本法改悪の狙いを知らせていると紹介しました。 たたかいのなかで組合員も増えています。 全教千葉の代議員は、「憲法・教育基本法のたたかいを職場の一人ひとりから」と役員が全分会を訪問。職場会に組合員ではない教職員も参加し、人事評価など関心の高い問題で学習会を始めていることを報告しました。 全教青年部の特別代議員は、青年部運営の「パワーアップ合宿」に三百六十人が参加し、職場で少数の青年教員が悩みを語り合い、確信を深める場になっていると発言。都教組の代議員も、青年部の合宿「元気いっぱく」で、「組合の先生と話していると元気になる」と組合に加入してきているとのべました。 |