2005年2月15日(火)「しんぶん赤旗」

イラク議会選

米撤退派が過半数

親米の暫定首相派は低迷


 【カイロ=小泉大介】イラクの独立選挙管理委員会は十三日、一月三十日に実施された暫定国民議会選挙の最終集計結果を発表しました。イスラム教シーア派の十六の政党連合「統一イラク同盟」が約48%(約四百七万五千票)を獲得し、全議席(二百七十五)の過半数の百四十議席を得る見込みです。同同盟は「多国籍軍撤退日程の設定」を公約に掲げています。米軍の占領と武力攻撃に抗議してスンニ派勢力がボイコットしたり、排除された今回の選挙の投票率は約58%でした。

 その他の政党(連合)では、クルド人主要政党による「クルディスタン同盟リスト」が得票率約26%(約二百十七万六千票)、七十五議席を得て第二党になりました。

 露骨な親米路線をとるアラウィ暫定政府首相率いる「イラクのリスト」は約14%(約百十六万九千票)で四十議席、第三党にとどまりました。ヤワル大統領率いるスンニ派の「イラク人」は1・78%(約十五万票)で五議席でした。

 一方、昨年十一月に米軍が総攻撃を実施したファルージャ市のある西部アンバル州では投票率2%など、イスラム教スンニ派住民が多数を占める地域では軒並み極端に低い投票率となりました。米軍の攻撃に抗議して選挙をボイコットした同派有力組織のイスラム聖職者協会は十三日、「選挙には正当性が欠如している」と表明しています。今後、選挙結果をめぐり混乱が続く可能性もあります。

 独立選挙管理委員会は三日間の異議申し立て期間を設けました。この期間終了後に最終的な議席が確定され、暫定国民議会が移行政府を選出、恒久憲法の起草に当たることになります。

占領軍と自衛隊撤退が本当の民主化に不可欠

市田書記局長

 日本共産党の市田忠義書記局長は十四日、国会内での記者会見でイラク暫定国民議会選挙結果について問われ、「どういう政府ができるかはこれからで、その政府がどういう方向をとるのか見守りたい。イラクの本当の意味での民主化への方向につながることを期待したいが、それには占領軍と自衛隊の撤退が不可欠だ」とのべました。



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