2005年2月11日(金)「しんぶん赤旗」 クラボウ社長ら送検共産党員を差別待遇大阪労働局繊維大手のクラボウ(本社・大阪市中央区)に働く伊藤建夫さん(61)と宮崎周吉さん(56)が、「日本共産党員であることを理由に、四半世紀以上にわたって賃金などの差別的取り扱いをうけた」として同社を告訴していた件で、大阪労働局は九日、「差別的取り扱いがあった」として労働基準法第三条違反(信条による差別)の疑いで、同社と丹羽?(ひろし)社長ら九人を大阪地検へ書類送検しました。 二人が告訴したのは二〇〇三年六月。同労働局では本社や本店などを強制捜査し、人事関係書類などを押収。今回書類送検されたのは社長ら役員二人と人事考課担当者七人です。 思想差別が犯罪であり、労働局が被疑者として社長らを送検したことに大きな注目が集まっています。 伊藤さんは一九六七年に研究職で、宮崎さんは七一年に技術職で入社。民社党(当時)一党支持の労働組合で政党支持の自由を主張し、労働条件の改善に積極的にとりくみました。伊藤さんは七九年に総務課に配属され、草むしりや溝掃除など雑用をさせられました。 宮崎さんは七七年に浜松に転勤させられて以降、関連会社への出向など一貫して職場から排除されています。 二人は二〇〇〇年四月、同期入社の社員との差額賃金などの損害賠償を求めて大阪地裁に提訴。同地裁は〇三年五月、反共労務政策があったことを認めて労基法違反と断定しました。現在、大阪高裁で和解交渉中です。 伊藤さんは「経営トップは『人道主義的経営』を説いたクラボウ創世記の社長の一人、大原孫三郎翁の名に泥を塗ることのない解決を望みます」と話しています。 |