2005年2月11日(金)「しんぶん赤旗」

「遺骨」問題

北朝鮮の3つの疑問に

日本政府が反論


 日本政府は十日午後、拉致被害者の横田めぐみさんとされた遺骨は別人のものとした日本側の鑑定結果を「ねつ造」だとする北朝鮮に対し、「DNA鑑定の技術水準に関する現実を少しも認識していない」ものであり、「全く受け入れられない」とした反論の文書をまとめ、北京の大使館を通じて送付しました。

 北朝鮮側は、日本の鑑定結果について、(1)科学警察研究所と帝京大学での鑑定結果が違っている(2)遺骨鑑定の分析方法に疑問がある(3)帝京大学の「鑑定書」の内容につじつまの合わない矛盾がある――の三点を疑問点として挙げていました。

 これに対し日本側の反論文書は、科学警察研究所と帝京大学が鑑定したのはそれぞれ別の検体であり、「北朝鮮側の指摘は不的確」だと批判。

 遺骨鑑定の分析方法に関し、「1200℃の高温で火葬された遺骨をDNA分析方法で鑑定しても、個人の識別は不可能」という北朝鮮側の疑問については、「火葬した骨の一部が熱に十分さらされなかったためDNAが残存することはあり得る」と反論しています。

 また、帝京大の「鑑定書」の内容に関し、北朝鮮が五つの骨片のうちの一つの分析結果について「科学的に保証できない」としている点について、ほかの四つの骨片はそれとは異なる検体であり、「分析結果に影響を与えるものではない」と説明しています。

 反論文書は、「日朝平壌宣言」の原則を堅持していく方針を説明するとともに、拉致問題で「迅速にかつ日本側が納得のいく…対応がない場合、我が方として『厳しい対応』を取らざるを得ない」と表明。今回の反論の内容については「実務者レベルで直接説明するにやぶさかではない」と、実務者協議の再開を呼び掛けています。



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