2005年2月10日(木)「しんぶん赤旗」 ロスタイム 大黒決めたW杯最終予選日本初戦飾るサッカーの二〇〇六年ワールドカップ(W杯)ドイツ大会アジア最終予選が九日開幕しました。埼玉スタジアムで北朝鮮代表と対戦したB組の日本代表は2―1で辛勝し、三大会連続のW杯出場へ白星スタートを切りました。
八年ぶりにW杯最終予選に臨む日本は試合開始直後に小笠原(鹿島)がフリーキックを直接決めて先制。後半に同点に追いつかれましたが、終了間際に交代出場の大黒(G大阪)が決勝点を挙げました。 先制されながらも北朝鮮は豊富な運動量で日本ゴールを脅かし、後半十六分にはナム・ソンチョルが左サイドから同点シュートを決めるなど健闘しました。 両国の対戦は十二年ぶりで、通算成績は日本の五勝四敗三分けとなりました。 ジーコ監督は「最後まで試合を捨てない姿勢が2点目を生んだ」と選手をたたえました。 “サッカー交流すばらしい” サポーター
両国のサポーターたちは、熱い九十分間をたん能しました。試合後、健闘した北朝鮮の選手には、日本の観客たちからも拍手が送られました。 在日本朝鮮人蹴球協会の呉泰栄副会長は「負けたけど悔しくない。日本の人たちが偏見なく評価してくれたおかげです。きょうのサッカー交流はすばらしいキックオフになった」と話しました。 ハングルで「日本へようこそ」と書かれたプラカードを掲げていた日本代表サポーターの瀬下寛之さん(28)=群馬県板倉町=は、興奮気味に話しました。 「すごくいいゲームだったし、選手やファンが、いがみあう感情を持ち込まなかったのもよかった。スポーツの空間だからこそ、言語や文化の違いを超えた交流ができるんですよ。サッカーの場に政治が影を落としたアジア杯のようなことがあってはならない。だから、サッカーを愛する心を込めてプラカードを用意しました」 |