2005年2月9日(水)「しんぶん赤旗」

国会の焦点

「政治とカネ」集中審議

疑惑解明ほど遠く

自民の無反省を示す


 小泉内閣のもとで相次いで浮上する「政治とカネ」の問題。その真相解明を求める国民の声を受けて、衆院予算委員会が八日開いた集中審議でしたが――。

■怒号の中

 午前十時五分から始まった集中審議。質問者の声がかき消されるほどのヤジと怒号が飛び交う模様がNHKで全国に中継されました。

 「民主党からいろいろといわれているので、売られたケンカは買いたい」(自民・馳浩議員)。答弁者も定かでない一方的な“演説”調の質問に、答弁に立った閣僚が「ちょっとうるさくて何を聞かれたか分からない」(中山成彬文科相)とのべる一幕もありました。

 本来「政治とカネ」をめぐる集中審議は、このような非難合戦を招く目的ではなかったはずです。日本歯科医師連盟(日歯連)問題に端を発した自民党をめぐる数々の疑惑―旧橋本派のヤミ献金事件や同党の迂回(うかい)献金疑惑の解明が、先の臨時国会から引き続く重要な課題で、集中審議の出発点でした。

■与党側は

 一億円の小切手を受け取りながら“記憶にない”で許されるのか。国民の厳しい目が注がれるなか、自民・公明与党は昨年十一月、橋本龍太郎元首相の衆院政治倫理審査会での弁明で幕引きを図りました。しかし、橋本氏は一億円の授受について「事実だと思うが記憶にない」などとのべ、みずからの関与を否定するだけでした。

 発言に責任を問われない密室の政倫審だけでは疑惑は深まるばかりです。このため日本共産党、民主党、社民党の野党三党は通常国会冒頭から、関係者の証人喚問や参考人招致を含めた全容解明を求めてきました。

 自民党旧橋本派の事件については、東京第二検察審査会が橋本氏、野中広務元幹事長、青木幹雄参院議員会長の刑事責任を問わないとする東京地検の不起訴処分を「不当」だとする議決をしています。これは国民の声を反映したものです。

 しかし、証人喚問要求をかたくなに拒んできた与党側は、この日の審議でも「自民党は国会議論をふまえ改善策を講じてきた」(小泉首相)などと疑惑にこたえず、民主党への攻撃に終始しました。反省がないといわざるを得ません。

■根本策を

 与党側の質問のなかには、民主党参院議員を支援する山梨県教組の政治団体のぐるみ選挙・献金疑惑など、民主党みずからが説明すべき問題もあります。与野党相互の揚げ足取りに終わらせず、事実に基づく真相解明を進めることこそ国民に対する国会の責務です。

 また、政治腐敗を断ち切るには企業・団体献金禁止という根本的な解決策に向かうべきだということが、いっそう明らかになっています。古荘智子記者



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