2005年2月8日(火)「しんぶん赤旗」 CIA米中央情報局これが「自由」の国?
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ナチス戦犯と緊密
大量虐殺共犯者も要員に
資料公開
【ワシントン=浜谷浩司】米中央情報局(CIA)が第二次世界大戦後、戦犯となったナチス・ドイツの情報将校と緊密な関係を築いていたことを示す資料が四日、明らかにされました。
米民間団体「国家安全保障公文書館」が明らかにしたのは、一九九九年にCIAが半世紀の協力関係を記念するとして、ドイツ情報機関に贈った歴史資料集。「情報パートナーシップの構築―CIAと独連邦情報局(BND)の起源、一九四五―四九年」と題され、二〇〇二年に解禁されています。
戦争中に東部戦線で活動していたドイツ軍情報機関の最高幹部ラインハルト・ゲーレンとCIAは戦後、緊密な関係を築き、ゲーレンを中心とした組織(ゲーレン機関)は現在のドイツの諜報機関、BNDの前身となりました。
公開された資料集の序文は、CIAが「冷戦」を背景にして、「一九四九年以来、ゲーレン機関と緊密な関係を維持してきた」と明記。今日「われわれは先駆者たちに多くを負っている」とし、「ゲーレンと、その仲間たち」への感謝を表明しています。
CIAとゲーレンとの関係については、米政府が設置した「ナチ戦犯記録作業グループ」が二〇〇〇年に明らかにし、CIAも当時しぶしぶながらこれを認めたとされています。
ところが問題は決着するどころか、CIAの姿勢をめぐって新たな議論が強まっています。
ニューヨーク・タイムズ紙(一月三十日付)は、CIAがナチ戦犯に関する秘密文書の全面開示を法律で義務づけられているにもかかわらず、「数十万ページにわたる文書」の同「作業グループ」への引き渡しを「拒んでいる」と報じました。
また、これまで引き渡された文書からは、米国とナチ戦犯との関係が「従来考えられた以上に緊密だったことが示されている」といいます。
その一例として、ホロコーストの実行責任者として六〇年にアルゼンチンで捕らえられ、裁判の結果、処刑されたアイヒマンの共犯者のうち、「少なくとも五人」がCIA要員となっていたことが挙げられています。
同「公文書館」の発表文によれば、ゲーレン機関の百人を超える要員が元「親衛隊保安部(SD)やゲシュタポだった」といいます。
「ナチ戦犯記録作業グループ」はナチスと日本の戦争犯罪に関する調査のために九九年に設置されました。「公文書館」の発表文によれば、「作業グループ」は今年三月末で期限切れを迎えることになっており、どこまで事実が明らかにされるかが懸念されています。