2005年2月4日(金)「しんぶん赤旗」 憲法調査会から「最終報告書」方針を決定自公民賛成 山口議員が反対
衆院憲法調査会の最終報告書の編集方針案が三日の幹事会で協議され、自民、民主、公明の賛成で方針が決まりました。 憲法調査会の規程は、最終報告書について「調査の経過及び結果」を記載することとしており、一定の方向を出すことにはなっていません。 しかし編集方針では、(1)委員のさまざまな意見を記載する(2)テーマごとに意見を類型化し摘示する(3)あるテーマにおいて多数であった意見など、意見の分布を示す。このほか、議論の全貌をわかりやすく提示するため、総論・総括的な部分を設ける――としています。 日本共産党の山口富男議員は、「テーマごとの意見の類型化や、委員の多寡を示すことは改憲に向けた事実上の論点整理になり、調査会規程の逸脱である」と批判。また、「総論を設けられるような議論はしていない」とのべて編集方針に反対しました。 憲法と天皇自由討議今国会で最初の審議となる衆院憲法調査会が三日開かれ、午前中は、憲法と天皇について自由討議が行われました。 日本共産党の山口富男議員は、「憲法と天皇については、問題を歴史的に見ていくことが重要だ」とのべ、明治憲法下の天皇が統治の全権をにぎり、その体制下でおこした侵略戦争によって日本とアジアに大きな犠牲をもたらしたと指摘。「戦後の日本が国際社会で再出発することは、明治憲法と天皇絶対の体制を否定し、国民主権と戦争放棄、平和の国づくりの道を打ち立てることとは一体のものである」とのべました。 また、現行憲法が主権在民のもとに天皇をおき、「国政に関する権能を有しない」としたのもそのためであり、規定の運用は厳格でなければならないと主張しました。 山口氏はまた、自民党の委員から出された「天皇を元首とすべきだ」との意見にたいし、「国民主権との矛盾をひろげるものだ」と批判しました。 自民党の船田元議員は、女性天皇について、女系による世襲も認められるべきだとし、皇位継承を認める方向での議論を促しました。同党の保岡興治議員は、元首化を主張。民主党、公明党も女性天皇を容認する発言をしました。 午後には、「安全保障・国際協力・非常事態」について自由討議が行われました。 |