2005年2月2日(水)「しんぶん赤旗」 郵政公社 サービス残業是正へ一歩労働者と党議員団がスクラム「共産党のおかげです」
日本郵政公社は、実際には残業しているのに残業代が支払われないサービス残業(ただ働き)を根絶するためとして、昨年十月から十二月までの三カ月分について、調査をはじめました。不払い残業代は、二月分の賃金支給時(二月十八日)に払われます。全国の郵政労働者と日本共産党の質問が切り開いた成果です。 消極的な姿勢の局も
「日本郵政公社でサービス残業がまん延している、なんとかしてほしい」と各地の労働者から悲鳴があがっていました。日本共産党の塩川鉄也衆院議員、吉川春子参院議員は、郵政公社の全国的なモデル局とされている埼玉県越谷郵便局を昨年一月と十一月に調査。塩川議員は昨年二月と十一月は二回の計三回、サービス残業問題を衆院総務委員会で質問しました。 「経営の恥だ」質問に答えて郵政公社の生田正治総裁は「サービス残業は経営の恥だ。かなり根気がいると思うが、根絶していきたい」(〇四年十一月十六日)と答えていました。 郵政公社は昨年十二月十三日付で、本社各部門の長、支社長などあてにこの答弁を引用して、調査を実施することになったと指示文書を出しています。 北海道のある特定郵便局では、「これまであった残業代のワクがなくなったので、ちゃんと残業代を申請してほしい」と管理職から説明があり、多くの労働者が実際の残業時間を申立書に記入して未払い残業代の支払いを求めています。労働者から、「日本共産党のおかげです」という声が寄せられています。 責任の転嫁も一方、地方や職場によっては、本気でサービス残業を是正する姿勢があるのか、疑いたくなるような事例もでています。 「労働時間管理は、使用者に責任がある」ことは、厚生労働省の通達(〇一年四月六日)でも明確にされています。 郵政公社が今回のサービス残業の調査にあたってだした「実態調査の概要」では、調査実施方法として、各局所の管理者が、調査対象職員の勤務命令時間と鍵の授受時間や端末機および局舎の保安システムの稼働時間等を調査せよとのべています。「客観的な資料にもとづき、当局の責任で各労働者の勤務時間が何時から何時までだったかを調べよ」という姿勢です。 ところが、今回サービス残業問題発覚のきっかけになった越谷郵便局では、当局が各労働者に超過勤務命令簿のコピーを配り、“これとの相違があれば、それを記入して申告せよ”と説明しています。実際の勤務時間が何時から何時であったかを労働者に申告させ、それを証明せよ、と迫るやり方です。 実際、都内のある特定局の職員がサービス残業時間を申請したところ、「正確なメモが残っていなければ確認できないので認めない」と突っぱねられました。別のある局では、調査もしないで、局長が「うちは不払い残業はないということで、私が代表して報告しておきました」といいました。 郵産労(郵政産業労働組合、全労連加盟)の砂山洋一副委員長は、「今回の調査は、サービス残業是正のための重要な一歩です。同時に、まだ緒についたばかりです。サービス残業を反省し、根絶するというのなら、調査期間を三カ月間だけにせず、少なくとも民事上の時効にならない過去二年間にさかのぼって調査し、是正する必要があります。調査方法についても、当局の責任で、客観的資料にもとづき調査するのが当然です」と話しています。 |