2005年2月2日(水)「しんぶん赤旗」 米原子力空母横須賀配備 動き裏付け通常型退役の前倒し計画二〇〇八年秋までに退役予定の通常型空母キティホークに代わり、原子力空母を横須賀基地(神奈川県)に配備する動きが、米国防総省の計画で裏付けられました。現在、キティホーク以外には一隻しかない通常型空母ジョン・F・ケネディが〇六年秋までに退役する計画が明らかになったためです。 米海軍準機関紙で判明
原子力空母が横須賀に配備されれば、世界一の人口密集地である首都圏に原発の原子炉一基分に匹敵する巨大原子炉を持った艦船が居座ることになります。 米空母は現在、原子力空母十隻、通常型空母二隻の十二隻体制。通常型空母退役後、すべて原子力空母になる計画です。当初、ケネディは二〇一八年に退役する予定でした。このためキティホーク退役後、ケネディの横須賀配備の可能性もとりざたされていました。 ところが、米国防総省は予算削減策の一環として、ケネディ退役の前倒しを計画。米海軍準機関紙「ネイビー・タイムス」五日号が報じた同省の予算計画書には「一隻の通常型空母を二〇〇六会計年度(〇五年十月―〇六年九月)に退役させ、空母部隊を十二隻から十一隻にする」と記されています。ケネディの母港メイポートのあるフロリダ州選出の上院議員は同紙で、イングランド米海軍長官から電話を受け、「問題の空母はケネディだと確信した」と述べています。 横須賀への原子力空母配備については、昨年、米太平洋軍のファーゴ司令官が議会証言で強く示唆。地元を中心に反対運動が起こっていましたが、その計画が現実の裏付けをもって明らかになるのは初めてです。 一方、ケネディ退役の前倒しには、フロリダ州選出議員が地域経済への影響などを理由に反対し、「空母十二隻体制」を維持する法案を議会に提出。計画が承認される見通しはたっていません。 |