2005年1月31日(月)「しんぶん赤旗」

国会の重要課題で討論

NHK番組で与野党国対委員長


 三十日のNHK番組「日曜討論」には日本共産党の穀田恵二氏のほか自民・中川秀直、公明・東順治、民主・鉢呂吉雄、社民・横光克彦の各国対委員長が出席しました。


本会議退席・首相答弁

東氏 「丁寧にしている」

穀田氏 「答弁はおざなり」

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「日曜討論」で発言する穀田恵二国対委員長=30日、NHKテレビより

 二十四日の衆院本会議で、民主党の岡田克也代表の再質問に対する小泉首相の答弁を不十分として民主、社民両党が退席した問題が話題になりました。与党側は「丁寧に答弁する努力はしている」(東氏)として退場を批判。野党側は首相答弁の不誠実さを一致して指摘し、鉢呂氏は「本会議がセレモニーでは活性化しない」とのべました。

 穀田氏は「答弁はおざなりで真剣に吟味した経過がない。再質問とはこういう点についてどうかと聞くもので、首相が『漏れなく答弁している』というのはおかしい」と指摘。同時に「不満があれば議場内で論戦できちんと対処したい」と日本共産党が退席しなかった理由を説明しました。

郵政民営化

鉢呂氏 「将来的にはある」

穀田氏 「二つのごまかし」

 首相が内政の最大課題に位置付ける郵政民営化問題で、与党側は「二十七万人の公務員をそのままでいくのか、民間人にして国民サービスを向上させ経済活性化させるか」(中川氏)、「電話も鉄道も民営化でサービスが向上した」(東氏)と民営化法案の成立を主張し、民主党に対案の提出を求めました。

 鉢呂氏は「将来的には郵貯、簡保の民営化はある」としながら三百五十兆円の資金の問題を指摘し、「重要だが今年やるべきものではない」とのべました。

 穀田氏は郵政民営化の議論には「二つのごまかし」があるとして、(1)「民間にできることは民間に」というが、民間にできないことをやってきたのが郵便局で、過疎地で貯金や保険サービスをしている銀行や生保会社はない(2)「小さな政府」というが郵便局の職員の給料は自らの事業収入でまかない税金は一円も使っていない―と指摘。「公務員だからこそ新潟中越大震災のような大変なときでも信書を届ける、そういう公共サービスの自覚がある」とのべました。

 さらに政府の基本方針では郵貯・簡保の全国均一サービス義務化が保障されないとし、いまでもコンビニエンスストアがない市町村が四百十七、民間金融機関がないところも十七市町村あると紹介。「もうけ本位になればそういったところは全部撤収するのが実態だ」と批判しました。

社会保障・消費税増税

中川氏 「一刻も早く協議を」

穀田氏 「国民の声と違う」

 「(年金財源として)消費税の活用も検討対象になる」との首相答弁について中川氏は「一刻も早く民主党、野党に与野党協議に参加してもらいたいとのメッセージだ」と発言。鉢呂氏が衆院予算委員会で年金についての集中審議を求めたの対し、中川氏は「無条件でやる」と応じた上で「三月中旬ごろには与野党で協議に入れるようにしたい」と、三党合意に基づく消費税増税の議論を野党側に呼びかけました。

 穀田氏は、消費税引き上げに向けた議論について「小泉さんが首相になって以来、サラリーマンの医療費が三割負担になり、年金、介護も負担増になる。ここに消費税をさらにかぶせて国民のくらしと日本経済がどうなるかと質問したのに対し、影響はないと答えるわけだから、およそ国民の声と全然違うといっておきたい」と批判しました。

「政治とカネ」

中川氏 証人喚問を拒否

穀田氏 解明は国会の責任

 自民党旧橋本派の一億円ヤミ献金事件に関連し、鉢呂氏は関係者の証人喚問を二〇〇五年度予算審議の冒頭にやるよう主張。中川氏は「刑事責任は国会で問うものではない」と拒否しました。

 穀田氏は、ロッキード事件や金丸事件などから明らかなように「国会と司法とそれぞれ解決の仕方がある」とのべ、迂回(うかい)献金や自民党派閥の資金問題も含め証人喚問で疑惑を解明し、国会の役割を果たすべきだと強調。政治資金規正法の改正については「『政治とカネ』の問題に終止符をうつ道筋として企業・団体献金の禁止に踏み出すべきだ」とのべました。



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