2005年1月31日(月)「しんぶん赤旗」 厳戒下 イラク議員選各地で投票所に爆弾攻撃米大使館にもロケット弾【カイロ=小泉大介】イラクの主権回復にむけた重要な政治ステップとされる暫定国民議会選挙(定数二百七十五)の投票が三十日行われました。米軍やイラク治安当局が厳戒態勢を敷いたものの、米軍の占領に反対する武装勢力の爆弾攻撃が相次ぎ、銃声と爆発音が響くなかでの選挙となりました。 住民の投票参加は地域によって大きなばらつきがあり、南部では住民の長い列ができる投票所がある一方、首都バグダッドでは開始一時間で投票したのは数人だけの投票所もあります。 最悪の治安情勢をうけ、暫定政府は投票日とその前後の三日間、各地に夜間外出禁止令の発令や住民の移動を厳しく制限するなど、米軍とともに厳重な警戒態勢をとりました。しかし投票当日も投票所を狙った爆弾攻撃が全土で多発。イラク駐留米軍当局者は三十日、バグダッド周辺だけで同日、九件の自爆テロがあったと述べました。イラク内務省によると、こうした攻撃でイラク人三十六人が死亡、数十人が負傷しました。 イラクでは約五十年ぶりといわれる今回の「自由」選挙には、百十一の政党(連合)、個人が立候補。投票は全国約五千二百カ所で行われました。 世界十四カ国の在外投票分の集計などもあり、大勢判明には数日、最終結果発表には一週間程度かかる見こみです。 投票日前日の二十九日夜(同三十日未明)には、バグダッド中心部の規制区域「グリーンゾーン」内にある米大使館施設にロケット弾一発が撃ち込まれ、米国人二人が死亡し、五人が負傷しました。米大使館への攻撃で死者が出たのは初めて。ロケット弾は大使館別館に付属する建物に命中しました。 |