2005年1月29日(土)「しんぶん赤旗」

撤兵論強まる米国

テレビ番組でも激論


 【ワシントン=浜谷浩司】イラク開戦二周年まで二カ月足らず。治安悪化に象徴されるイラク情勢の「泥沼」化を前に、米国では米軍撤退を求める声が一段と強まっています。

軍事的存在が問題

 「四十年前、私たちは、ベトナムでの米国の存在そのものが新たな敵をつくりだしていることを理解しなかった。その歴史をイラクで繰り返してはならない」―ケネディ上院議員は二十七日、ワシントン市内で行った講演をこう切り出しました。

 同氏は、「イラクでの戦争は米国の占領に反対する戦争となっている」「米国の軍事的存在は解決ではなく、問題をつくりだしている」と強調しました。

 三十日のイラク暫定議会選挙について同議員は、「イラク国民が、自分たちの指導者を米国のあやつり人形でないと確信しない限り、選挙はブッシュ政権が期待するような(安定への)転換点にはなりえない」と指摘。イラクから直ちに一万二千人以上の米兵を撤退させ、二〇〇六年の早い時期に完全撤退させるべきだと述べました。

「不必要な戦争だ」

 ABCテレビは同日夜、「イラク (米国は)なぜとどまるのか」をテーマに、一時間にわたり視聴者参加の討論番組を放映。会場のホワイトハウス近くの教会では、イラク撤退への賛否両論がぶつかり合いました。

 「この不正で、不必要な戦争をやめるべきです。ブッシュ政権はいったいイラク駐留をどう正当化できるのですか」―家族をイラクで失った人々の声を、一人の女性が伝えました。

 「息子は誤った理由でイラクに行きました。遅くなりすぎる前に子どもたちを帰すべきです」。息子を失った女性が続きました。

 米軍の死者は千四百人を超え、さらに一万人以上が足を失うなどの傷を負っています。



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