2005年1月28日(金)「しんぶん赤旗」

自、民が最終報告へ提案

日程と改憲むけた調査項目

衆院調査会

山口議員が反対


 衆院憲法調査会の幹事懇談会が二十七日開かれ、自民党の中山太郎会長と民主党の枝野幸男会長代理は、今国会での「最終報告書作成へ向けての調査(案)」と題する日程と調査項目を提案し、自民、民主、公明はこれを了承しました。

 調査(案)には、憲法九条について「自衛のための実力組織の保有」「集団的自衛権の行使」「国際協力の範囲・要件等についてどう考えるか」、基本的人権について「新設すべきものあるいは削除するものはないか」など、改憲のための論点を示しています。

 日本共産党の山口富男議員は、「提案は改憲へ向けての論点整理をはかるものであり認められない。調査報告書は『経過及び結果』を示すもので(調査会規定第二条)、改憲を前提にした報告書の作成は許されない」として、反対しました。

 中山会長は、懇談会後の会見で記者団を前に「(報告書の)結論部分は、憲法を改正するかしないか、そこだ」「賢明な頭脳を持っていれば五年間の議論がどんなものだったのかはわかるはずだ」と発言。最終報告書を改憲を方向付けるものにする強い意欲を示しました。改憲勢力は、五月に予定する憲法「改正」国民投票法案の審議入りの前に、改憲志向の報告書を発表することで、改憲プログラムの具体化に弾みをつけたい狙いがあります。


 最終報告書 二〇〇〇年に活動を開始した衆参両院の憲法調査会は、活動期間を「五年を目途」にするとされています。今国会で最終報告書の取りまとめが問題になっているのは、「五年」を経過したためです。しかし、調査を終えたときには「調査の経過と結果を記載した報告書」を作成するだけ(憲法調査会規程第二条)。最終報告書で、改憲の方向付けをするような論点整理は規程を逸脱するものです。



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