2005年1月21日(金)「しんぶん赤旗」 国にノーといえない子 育てる教育基本法改悪に反対文化人129氏声明作家の辻井喬さん、埼玉大学名誉教授の暉峻淑子さん、国際基督教大学教授の藤田英典さんたちでつくる「教育と文化を世界に開く会」は二十日、「教育の国家統制をめざす教育基本法『改正』法案の国会提出に反対する文化人百二十九人の声明」を発表しました。 辻井喬さん、永六輔さん、永井路子さんたち
同会は教育基本法改悪の動きに危機感を持つ文化・教育関係者が二〇〇二年に結成。政府・与党が通常国会に改悪案提出を狙う情勢の下で賛同者を広げ、あらためて反対をアピールしたものです。前中央教育審議会委員で教育基本法「見直し」の答申に反対した市川昭午氏や、安野光雅(画家)、伊藤比呂美(詩人)、永六輔(ラジオタレント)、永井路子(小説家)、中川李枝子(作家)の各氏が名前を連ねています。 同日の記者会見・公開学習会には藤田氏、市川氏のほか、入江曜子(作家)、川田龍平(人権アクティビストの会)、喜多明人(早稲田大学教授)、俵義文(子どもと教科書全国ネット21事務局長)、毛利子来(小児科医)の各氏が出席。 藤田氏は、政府が改悪に動き出す第一歩となった「教育改革国民会議」の委員でした。「私は教育基本法見直しに反対しつづけた。十分議論がつくされたとはいえない」と、これまで政治的な活動に距離を置いてきた自分が運動に参加した思いを語りました。 入江氏は文科省がすべての学校に押しつけている『心のノート』について法改悪の先取りであり、「国家にノーといえない子どもを育てるもの」と批判しました。 ほかの賛同者も「徳目を並べることではいまの深刻な教育の問題は解決しない」(市川氏)、「これからの教育は一人ひとりに寄り添うことが求められるのに、愛国心を上から押しつけるなど逆行する『改正』だ」(毛利氏)と、反対の理由を熱っぽく語りました。 声明では、(1)行政の教育への不当な介入を禁じた同法一〇条が変えられ教育の国家統制に道を開く(2)復古主義的な徳目を教育目標として列挙し人間の内心に踏み込む(3)すべての子どもが等しく能力や個性に応じて可能性を開花させる教育を否定し、差別化・序列化を加速する―などの問題点を指摘。改悪案の提出をしないよう求めています。 |