2005年1月15日(土)「しんぶん赤旗」 米軍が漁師に銃口広島・江田島市沖警備艇で接近、威嚇
広島県江田島市沖で操業していた漁船から、第六管区海上保安本部(広島)に、五日午後、山口県岩国市の米海兵隊岩国基地の警備艇から銃口を向けられたと通報があったことが、十四日分かりました。米警備艇は、米軍が日本の国土・空域を使用する際の取り決めを決めた日米地位協定に基づく岩国基地提供水域を大きくはみ出して追尾していました。 現場は、岩国基地沖にある基地提供水域から十二キロメートル、NLP(夜間離着陸訓練)基地に狙われている大黒神島(おおくろかみじま)から南南東に千五百メートル、長島北方に百メートルの地点です。 米軍側は海保に「岩国基地の提供水域内を侵犯した小型船を認め、追尾したが見失った。近くの漁船に近づき、漁船に掲示された番号を確認したものだ。乗組員は、銃を肩からつるしていたが、銃口を人には向けてはいない」と答えています。 しかし海保に通報した漁師・静間久尚さん(38)の妻、幸美さん(38)は本紙に「主人は米兵に、英語で怒鳴られ、銃口を突き付けられ、パニックになった。両手を上げた状態が二、三分続き、寸分も動けるような状態ではなかった」と語りました。 久米慶典・山口県平和委員会代表理事(日本共産党前県議)は「提供水域外での、このような米軍の行為は、地位協定にも違反しており、許せません。政府は、米軍の追尾が正当だといっているが、地位協定の何を根拠にいっているのか。今回の事件の場合、どう考えてもおかしい。政府や関係自治体は、住民の安全を守る立場から、きぜんとした態度で臨むべきです」と批判しています。
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