2005年1月14日(金)「しんぶん赤旗」

新年から公共料金値上げ、無料乗車制度改悪

ロシア

高齢者ら深刻

各都市で抗議集会


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1日から運賃が30%値上げされたモスクワ地下鉄

 昨年十二月末の法改正で一月五日まで休日となり、七日のロシア正教クリスマス、土日の振り替え分を合わせ十連休となった今年のロシア。休み明けで仕事、学校が再開し活気が戻りましたが、街からはため息と怒りの声が聞こえてきました。一日から全国で実施された一連の公共料金値上げが原因です。

 モスクワ地下鉄は一回の乗車が十ルーブル(一ルーブル=三・八円)から十三ルーブル、バスは十から十一ルーブルに、光熱費など大半のロシア人が住む集合住宅の関連諸料金も平均30%アップです。

 石油やガスの価格上昇のためとされますが、マスコミは「明けまして新料金でおめでとう」(ブレーミャ・ノボスチェイ紙)と皮肉ります。

 これまで年金生活者は全国どこでもバス、地下鉄に無料で乗車できましたが、各自治体が無料制度の存続か、「無料分の現金支給」かを選ぶことになりました。対応は自治体によってまちまちで混乱や不備が目立っています。

 モスクワ市(東京二十三区のような存在)とモスクワ州(市の周辺)住民は居住している自治体内で無料ですが、他自治体へ出れば有料。モスクワ市住民がモスクワ州に出ればお金を払わなければ乗車できません。

 改善されたとはいえ、年金額はよくて二万円。「やっていけない」と高齢者らは十日、公共料金値上げに抗議し、政府に無料乗車制度の復活を求め、いくつかの都市で集会を行いました。

 モスクワ市との境に近い州部ヒーミック地区では、約五百人が朝から地区役場前で集会。一部が正午ごろ幹線のレニングラード道に入り、車の流れを止めました。

 警官と地区当局者の説得で道路からは立ち退いたものの、数時間にわたり二十キロ近く渋滞しました。

 無料・割引サービスを受けるときに使う年金手帳を見せてくれた、モスクワ州在住のダビドフさん(63)は、「少ししか離れてないのに市内じゃ使えない。家も食品もみんな値上がりでいいことないよ」

 別の男性は、「わたしたちの国は石油もガスもあって輸出もしてるのに、なぜこんなに値上がるのか。さっぱり分からん」と首を振りました。

 (モスクワ=田川実 写真も)



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