2005年1月14日(金)「しんぶん赤旗」

イラクの大量破壊兵器

昨年末に捜索打ち切り

米大統領報道官が認める


 【ワシントン=浜谷浩司】マクレラン米大統領報道官は十二日、米政府が昨年十二月にイラクでの大量破壊兵器の捜索を打ち切っていたことを認め、調査団長のダルファー中央情報局(CIA)特別顧問が二月に最終報告書を発表する予定であることを明らかにしました。

 米紙ワシントン・ポスト十二日付は、捜索にあたった米調査団関係者からの聞き取りとしてイラクでの治安悪化と「新たな情報がない」ことを理由に捜索が打ち切られたと報じました。

 同調査団は昨年十月、イラクの大量破壊兵器について詳細な報告書をとりまとめ、戦争前に大量破壊兵器はなく、米政権の主張はまったく誤りだったことを明らかにしていました。それにもかかわらず、米政府は調査団の活動を公式には終了させず、大量破壊兵器の存在する可能性がなお残っているかのように装ってきました。

 ブッシュ米政権がイラク侵略の口実とした大量破壊兵器は、まったくのでっち上げだったことがすでに明らかになっています。ただ、その捜索を国際社会に伏せたままひそかに終了させていたことは、ウソで固めた無法な戦争への責任をあくまで認めようとしない同政権の姿勢を重ねて象徴しています。

 マクレラン報道官は記者会見で、昨年の同調査団報告が基本的に「任務の終了」を意味していたとし、捜索打ち切りに大きな意味はないとの認識を示しました。さらに、ブッシュ政権としては情報活動の改善に取り組んでいるとしました。



もどる
日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ

著作権についてリンクについてメールの扱いについて
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7  TEL03-3403-6111 FAX03-5474-8358 Mail:info@jcp.or.jp