2005年1月13日(木)「しんぶん赤旗」

大学評価学会が外務省に要請

高等教育無償の国際原則実現を


 大学評価学会はこのほど、田中昌人・二〇〇六年問題特別委員会委員長ら四氏が、外務省に「『2006年』問題に関する外務省への要請書」を提出しました。その大要はつぎのとおりです。

 要請趣旨

 大学評価学会は、下記要請事項を「2006年問題」として学会内に特別委員会を設けて、緊急的課題として取り組んでおります。

 一つは、1966年12月16日に国際連合総会において採択され、日本では1979年9月21日に発効した国際人権規約の「経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約」の内、第13条2項(c)の高等教育における「無償教育の漸進的導入」について、日本政府が、それに「拘束されない権利を留保する」としていることに関して、2001年8月31日における国際連合の「経済的、社会的および文化的権利に関する委員会の最終見解―日本―」は、「拘束されない権利の留保の撤回を検討することを要求する」として日本政府に対し2006年6月30日までに回答を求めている問題です。

 関連するいま一つは、国際連合の児童の権利委員会が、日本における「過度に競争的な教育制度の改革」を行い、「高校を卒業したすべての者が高等教育に平等にアクセスすることを確保する」ように求めて、2004年1月30日に行った勧告に対して、日本政府に2006年5月31日までに回答を求めている問題です。
 この期限に向けて、日本政府および外務省が勧告に基づいて各方面に広く意見を求め、協議を行い、その経過を公表し、具体的な措置を講ずることを求めます。第一の件に関しては、1984年の日本育英会法の制定に際しても衆参両院文教委員会の各付帯決議において「諸般の動向をみて留保の解除を検討すること」とされています。以来、20年が経過し、今日、学費の負担が高等教育を受ける機会均等を損なう教育上の差別を生ずるまでになっており、「無償教育の漸進的な導入」に基づく政策の具体化は、世界人権宣言第26条、国際人権規約の社会権規約第13条、児童の権利に関する条約第28条、第29条を誠実に履行し、日本国憲法第14条、第26条、教育基本法第3条、第10条、第11条を生かす上で不可欠の事項になっていると考えます。

 要請内容

 1、日本国憲法第98条に基づき、国際人権規約の内、社会権規約第13条2項(c)の「高等教育における無償教育の漸進的導入」に対する日本政府の国際連合「経済的、社会的および文化的権利に関する委員会」への回答(2006年6月30日が回答期限)に向けて、早急に具体的な協議および措置を講ずることを求めます。

 2、日本国憲法第98条に基づき、国際連合「児童の権利に関する委員会」が、2004年1月30日に日本政府に対して行った勧告第50項(a)への回答(2006年5月31日が回答期限)に向けて、早急に具体的な協議および措置を講ずることを求めます。



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