2005年1月12日(水)「しんぶん赤旗」 9条守り生かす運動へ小田実氏講演の夕べに850人大阪・堺憲法を守る草の根の運動を強めようと十一日、作家の小田実氏が大阪・堺市で「今、この時代に、このごろ考えること」と題して講演しました。同市在住の作曲家や大学教授、宗教者など十人が呼びかけた「1・11憲法9条を守りいかす講演の夕べ実行委員会」が主催したもの。立ち見が出るほどの盛況で、約八百五十人が講演に耳を傾けました。 「一月十七日は阪神・淡路大震災十周年。大きな災害が起こると、その国の本質がむきだしになる」と切り出した小田氏は、国が被災者の生活再建のための公的援助を避けてきた経緯を紹介。イラクへの自衛隊派兵ではアメリカに追従する政府の姿勢を批判し、「日本は災害大国。災害対策ができる大きな国。津波難民の救済などが今後必要になる。そのときこそ、憲法が本当に生かされる。そういう大きな目で、昨日・きょう・あすを考えていただきたい」と訴えました。 講演後、実行委員会は「憲法九条の『改正』を阻み、憲法九条を守り生かすために、創意をこらして立ち上がることを心より訴えます」との「堺市民へのよびかけ」を発表しました。 参加した梅川勉さん(83)は「私は軍隊に三年いました。終戦の年は武器も軍服も支給されないような状況でした。こんなことを二度と繰り返してはいけないというのが生涯の思い。きょう聞いたことを周りの人にも広げていきたい」と話していました。 |