2005年1月11日(火)「しんぶん赤旗」 自民改憲案の狙い指摘「九条の会」が学習会開く
「九条の会」は十日、東京都内で「自民党改憲草案大綱(たたき台)の検討」と題して憲法学習会を開きました。会場いっぱい、三百人以上が参加。憲法学者の小沢隆一静岡大学教授と文学者の小森陽一東京大学教授(「九条の会」事務局長)が講演し、質疑応答が行われました。 「会」事務局員の高田健氏が「昨年はどこの地方講演会も予想を上回る超満員で大きく励まされました。今年もよろしくお願いします」とあいさつ。会場には笑顔が広がりました。 小沢氏は、「自民党改憲草案大綱(たたき台)」について「一応は白紙に戻ったが今後も基本的方向は変わらない」として、大綱を詳細に検討。天皇の地位の強化と国民主権原理の矮小(わいしょう)化、基本的人権保障の変質と人権制約の拡大、九条改憲と自衛隊の海外活動規制の撤廃、生存権など社会権の否定と大企業の活動の自由を優先する新自由主義改革の推進など、そこに示された危険な狙いを指摘しました。 小森氏は、「今日の話を聞いたみなさん一人ひとりが憲法の語り部に」と呼びかけ、憲法問題を語るポイントをやさしく解説しました。九条改悪を迫るアメリカの世界戦略は、「集団的自衛権をタテにとり国連中心の平和秩序を破壊するもの」と強調しました。 質疑で、二四条の男女平等規定の改悪や、自民党と民主党の改憲案すり合わせの方向などについて質問が出されました。「露骨な二四条削除論はひっこめたが、大綱では『家庭の保護』が打ち出され、“家庭は伝統、文化が継承されていく土壌である”と位置付けられている」(小森氏)、「民主党が日米安保堅持を前提に政権を目指す以上、集団的自衛権を認めない改憲案にはならない」(小沢氏)と講師が答えました。 |