2005年1月11日(火)「しんぶん赤旗」 学校に“自由の風”吹かそう「日の丸・君が代」強制反対東京都知事と都教委に抗議 集会に1900人“子どもたちを追い込まないで”
石原都政と東京都教育委員会の強権的な教育政策に反対する広範な都民が十日、「変えよう!強制の教育 学校に自由の風を大集会」を東京・日比谷公会堂で開き、千九百人が参加しました。「日の丸・君が代」強制への怒りと、力を合わせて都の教育行政を変えようという思いが会場にあふれました。 集会は「『学校に自由の風を』ネットワーク」などがつくる実行委員会が主催し、教育関係や女性団体、労働組合など約百二十六団体と個人約三百人が賛同して開かれたものです。 弁護士や教員、保護者、都立高校卒業生など八人によるリレートークや、日本の侵略戦争を美化する「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書を批判する寸劇、「日の丸・君が代」強制を告発する朗読劇など多彩な形で、その思いを表現しました。 リレートークで都立九段高校卒業生の女性が「昨年の卒業式で恩師が処分され、内心の自由について深く考えるようになりました。先生への強制は生徒への強制と変わらない」と訴え、大きな拍手があがりました。 教育ジャーナリストの青木悦さんが「これ以上子どもたちを追い込まないで」と題して講演。哲学者の高橋哲哉東京大学教授は講演で、一八九一年に教育勅語に敬礼しなかったため教師を免職された内村鑑三の言葉を紹介し、「いま、平和と平等、自由という戦後最も大切にされてきた価値観が攻撃されている。力を合わせて私たちと子どもたちの自由を勝ち取ろう」と呼びかけました。 参加者の会社員、黒田弘樹さん(30)は「この集会で東京の教育の実態を知りました。自由を守るのは私たちなんだと思いました」といいます。昨年の卒業式で「君が代」を起立斉唱せず処分された神奈川県の女性教員は「『日の丸・君が代』強制とイラクへの自衛隊派兵や憲法改悪の動きは一体だと改めて感じました。力を合わせて流れを変えたい」と語りました。 |