2004年12月27日(月)「しんぶん赤旗」 “宝の海”埋立てないで地元住民が知事に訴え大分・大入島港湾整備事業で大分県佐伯市大入島石間地区の海岸を埋め立てる計画で、二〇〇五年一月着工を地元に通知していた広瀬勝貞大分県知事は二十六日、同島石間地区を訪れ、「一月着工は決定ではない。今年度やるとすれば着工の時期が迫っている」と住民に説明しました。地元住民約七十人が出席し、「ふるさとを絶対に埋め立てさせない」と訴えました。 地元では、県が昨年十一月に工事を強行しようとしたため地元住民が「人柱になっても埋め立てさせない」と一年以上にわたって海岸で座り込み、埋め立て中止を求めています。 話し合いの冒頭、清家太石間区長は、「埋め立ては絶対反対。私たちは先祖代々海とともに生活してきた。工事を縮小しても採草してきた磯は壊れ、生活そのものが破壊されてしまう」と知事に申し入れました。 住民らは、石間の磯でとれたばかりの、箱いっぱいのサザエやアワビを知事の前に出し“宝の海”を見せました。七十代の女性は「海の底の底まで愛して生きてきた。たとえどんなことがあっても埋め立てさせない。命懸けです。必死の思いを知事に分かってもらいたい」と訴えました。 広瀬知事は、「県南に光をあて東九州自動車道もでき、港を再生しないといけない時期」と県の考えを説明しました。 大入島の埋め立て工事は、佐伯港に水深十四メートルの岸壁をつくる際のしゅんせつ「土砂」を石間区沖合六・一ヘクタールに埋め立てようとするもの。 投棄される海底「土砂」は、一九七〇年代にパルプ工場の廃液によるヘドロが堆積(たいせき)し、まともな除去工事もされないまま放置されていたもの。工事で佐伯湾の環境悪化が危ぐされます。 |