2004年12月25日(土)「しんぶん赤旗」
二十三日午後、東京都葛飾区内で日本共産党の「都議会報告」「区議団だより」などのビラをマンションで配布していた男性、Aさん(57)が亀有警察署に不当逮捕される事件が起きました。「住居不法侵入」などを口実にしていますが、一般におこなわれている正当な政治活動にたいする弾圧です。自衛隊官舎への反戦ビラ配布について「ビラ配りは憲法に保障された政治的表現活動」として無罪にした東京地裁八王子支部判決の直後だけに、警察の不当さがきわだっています。
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逮捕にたいし、ただちに党葛飾地区委員会、木村ようじ都議、国民救援会などが同署に抗議。東京地裁八王子支部の無罪判決も指摘し、直ちに釈放するよう求めました。同地区委員会は「東京都議選を前にした時期で、憲法と民主主義に反する重大な政治弾圧だ」として亀有署への抗議と男性への支援を呼びかけています。
Aさんは「都議会報告」や「区議団だより」などを七階建てマンションに配布中、部屋から出てきた男に「何をまいているのか、迷惑だからやめろ」と呼び止められました。「正当な政治活動ですが、あなたが入れてほしくないのなら、入れませんので何号室ですか」といって部屋の番号を確認しようとしたところ、男はいきなり携帯電話で警察に「PC(パトカーのこと)で来い」「ガラ(身柄のこと)はおさえた」「警備課につなげ」などと警察用語を使って連絡しました。Aさんはやってきた警察官とともに亀有署に行ったところ「住居不法侵入」容疑で逮捕されました。
また、同署は二十四日午後六時すぎ、Aさん宅の家宅捜索までおこないました。捜査官十数人を動員し、玄関前を封鎖、党地区委員会の立ち会いを認めないなどの異常なものでした。
日本共産党葛飾地区委員会、党葛飾区議団、日本国民救援会東京都本部は二十四日夕、Aさんを不当逮捕した亀有署前で抗議行動を行い、即時釈放を要求しました。
同署前は警官二十人が入り口を固めるものものしい体制。区内から五十人が集まり、「民主主義を守れ」「亀有警察は不当逮捕をやめよ」「ただちに釈放せよ」と怒りのシュプレヒコールをあげました。
救援会都本部の深澤安治事務局長、高橋信夫都議候補(党葛飾区議団長)、渡辺好枝同団長代行らが「区民に議会での活動を伝えるビラを配ってなにが違法か。ただちに釈放せよ」と厳しくつめよったのに対し、同署側は「正当に職務を執行しただけだ」「議論するつもりはない」などと述べ、最後まで話を聞こうとする態度すら見せませんでした。支援の人たちからは「話しあいもしないなんて異常だよ」と怒りの声があがりました。
不当逮捕された男性の妻(47)は「これで逮捕されるなら、いったい何人の人が逮捕されるの。本当に恐ろしいことです。警察は、こんなことやっている暇があるなら、未解決の事件の捜査を真剣にやるべきです」と怒りに声を震わせながら話しました。