2004年12月23日(木)「しんぶん赤旗」
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東京商科学院、東京法科学院の設置者が一九九八年に経営破たんして、学校法人東京日新学園(東京・千代田区)が引き継いだ際、それまで働いていて不採用とされた教員、今井道雄さん(49)の、雇用契約関係の有無をめぐって争っていた裁判で、二十二日、さいたま地裁の廣田民生裁判長は雇用関係の継承を認める判決を下しました。
裁判は二〇〇〇年に日新学園が「雇用関係は存在しない」として提訴。〇二年に今井さんが反訴していました。この日、廣田裁判長は日新学園側の請求を棄却しました。
日新学園は解散した法商学園から、校名、土地、校舎、学生などを引き継ぎました。しかし、二百六十五人いた教職員は全員解雇。その中から新規採用を募集し、応じた百八十三人のうち百四十一人を採用しました。
今井さんは採用されませんでした。今井さんは法商学園の経営破たんを機に公然化した労働組合(東京私立学校教職員組合連合専修学校支部東京商科学院分会)の分会長で、同組合員は全員採用されませんでした。
判決は、「法商学園と教職員との雇用関係を、事業と有機的一体として(日新学園が)継承した」と指摘。不採用は「整理解雇」にあたり、日新学園側に、労働組合員への「不当労働行為意思」があったとしました。
判決後、今井さんは「年度途中に法人が経営破たんし、混乱で学生に非常に迷惑をかけた。学生の学校への怒りを代弁して、勝利できてよかった」と語りました。