2004年12月21日(火)「しんぶん赤旗」
一生懸命に資格を取っても働き口が見つからない―。韓国労働省傘下の産業人力公団が運営する中央雇用情報院は最近、再就職をめざす同国の女性は、男性よりも資格取得率は高いものの、再就職率は男性より低いという調査結果を発表しました。
調査によると、二〇〇三年に政府が運営する再就職訓練に参加した失業者のうち、なんらかの資格を取得した男性は23・1%。これに対し女性は28・5%でした。ところが、再就職率は男性44・1%に対し、女性は31・1%にとどまりました。
中央雇用情報院は「女性は男性より資格取得のために努力しているが、資格にふさわしい求人の不足や、女性の雇用を避ける差別的な採用の慣行などで就職が難しいと考えられる」といいます。
全国で女性専門の職業訓練所を運営する女性省の発表でも、〇三年の女性の就職率は39・5%。「予算が少なく効果的な政策を推進できない」(同省人力開発担当官室)のが現状です。
全国民主労働組合総連盟(民主労総)の〇三年の調査によると、就職した女性への差別も深刻です。女性労働者のうち非正規労働者が占める割合は70・7%で、男性の46・7%をはるかに上回ります。賃金は正社員の51・0%にすぎません。
給与の水準をさらに詳しくみると、男性正社員の給与を一〇〇とした場合、女性の正規社員は七二。非正規職員の給与はさらに低く、男性の五二に対し女性はわずか三八です。
民主労総は、▽仕事の内容が同じ場合は正規、非正規の賃金格差を認めないよう政府の労働監督業務を強める▽男女間の雇用平等を義務化する制度を導入する▽男女平等な業務評価制度を導入する―ことを呼びかけています。 面川誠記者