日本共産党

2004年12月20日(月)「しんぶん赤旗」

労働党政権が子育て支援促進

育休延長 保育施設定員100万人増

英国


 英国のブレア労働党政権は、「仕事と生活の適切なバランス」を掲げて育児休暇の充実や父親休暇の導入などで子どものいる勤労家庭に手厚い施策を導入してきました。十二月には、子育て支援「十年計画」を新たに発表。来年前半にも見込まれる総選挙に向け子育て家庭支援のキャンペーンを始めました。(ロンドン=西尾正哉)

 ブレア政権は一九九七年に政権に就いて以来、保育施設の増設や育児休暇の拡大などの施策を取る一方で、二〇〇〇年からは「仕事と生活のバランス」キャンペーンを開始、フレックスタイム制度の導入などを進めてきました。ブラウン財務相が二日行った来年度予算案に関する演説で特に力点を置いたのが子育て支援です。この演説に合わせて総合的な支援策「チャイルドケア十カ年計画」を公表しました。

 「十カ年計画」は第一に、育児休暇は現在六カ月までの有給期間を〇七年からは九カ月に、一二年からは十二カ月に延長。また、育児休暇期間を母親だけでなく父親も交代で取れるようにするとしています。

 第二に、三、四歳児は週十二・五時間の保育園での保育が無料で保障されている現在の制度を、一〇年までに十五時間、最終的には二十時間まで拡大。また、保育施設の百万人の定員増と三千五百カ所の「チャイルドセンター」の増設も打ち出しました。

 第三に、ゼロ歳から二歳の子どもを民間保育所や託児所などに預ける場合、「勤労税金クレジット」制度で費用を最大70%まで補助している現在の上限を80%(最大週三百ポンド)まで拡大。さらにこの制度を利用できる親の年収上限を五万九千ポンド(約千百八十万円)にするとしています。

 ブレア首相は最近、スキャンダルで辞任したブランケット内相に代わってクラーク教育相が内相に就任したことに伴い、三十六歳の女性、ルース・ケリー氏を教育相に指名しました。

 英メディアは、ケリー氏が四人の子どもを持ちながら議員としての仕事と生活を両立させてきたという経歴に注目。英紙フィナンシャル・タイムズ十七日付は、次期総選挙で「保育政策などを売りこむことを彼女は期待されている」と指摘しました。



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