日本共産党

2004年12月15日(水)「しんぶん赤旗」

定昇廃止、賃下げ狙う

日本経団連が春闘対策方針


 日本経団連(奥田碩会長)は十四日、財界の〇五春闘対策方針となる「二〇〇五年版経営労働政策委員会報告」(経労委報告)を発表しました。日本経済は大手製造業を中心に「回復基調を示した」と認めながら、「景気や業績が回復したからといって、改革の手をゆるめてはならない」とのべ、賃金をさらに低く抑え込む姿勢をうちだしています。

 同報告はこれまで、「ベースアップは論外」(〇三年版)、「ベースダウンも労使の話し合いの対象に」(〇四年版)と厳しい賃金抑制を主張してきました。

 今回の報告では、「いわゆるベースアップ(ベア)要求をめぐる労使交渉はその役割を終えた」と断言し、「ベースアップ」という言葉にかえて賃下げを含みとした「賃金改定」と称すべきだと主張。「『春闘』はすでに終えんした。今後は、春季の労使討議の場として『春討』が継続・発展することに期待したい」とのべ、春季の労使協議を、賃金を上げるためではなく、賃金を下げるための交渉の場にしていく姿勢をうちだしています。

 そして、「毎年だれもが自動的に昇給する」定昇制度について、廃止を含めて抜本的な改革を急ぐべきだとしています。

 さらに報告は、「労使自治の精神」による人事・賃金制度の実現を強調。賃金コストを抑制するために、雇用形態を多様化し、労働者派遣や請負など、不安定雇用の拡大を追求していくと主張しています。



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp