日本共産党

2004年12月14日(火)「しんぶん赤旗」

60号超す共産党救援センターニュース

被災住民の心に寄りそい


 新潟県中越大震災の被災地でボランティア活動に取り組む「日本共産党救援センター」は開設以来、連日「センターニュース」を発行し、十三日で第61号になりました。その内容はインターネットでも公開され、読んだ人から「感動の連続」という声が寄せられています。住民の悩みや要求、ボランティアの思いが生き生きと描かれている「ニュース」から紹介すると――。


いまだ救援が届かぬ地に

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 大震災直後の十月二十七日付で発行された「ニュース」第1号。各県からのボランティア、支援物資の到着を伝えました。その後、活動はどんどん広がり、住民が頼る存在に。

 第22号には「住宅の片付けがいよいよ切実に」という記事が掲載されています。

 ――十一月十日に入った小千谷市の市街地は、地震後、いまだに救援の手が届いていなかった地域のひとつでした。片付けを手伝った多くの家が車庫で生活しており、「泣きたくなる」「この冬、どう生活していったらいいか」「仮設に入れるのか」という不安の声が寄せられました。壁が割れ、家の中はひっくり返って使い物にならない状態でした。

 ――「どこから手をつけたらいいのか」と途方にくれていた被災者が、励まされ気力を取り戻しています。「あなたがたは、なぜこんなに見ず知らずの人に親切にしてくれるのか」「世間の見方をかえなければ」と、何度も頭を下げられました。

私にできることしっかり

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注文の品を持ってきた青年ボランティアに「もう持ってきてくれたの。うれしいね」と笑顔の被災者=11月14日、新潟・川口町

 第26号には、二十三歳のボランティア、稲葉綾さんの手記があります。

 ――夜中の四時“どーん”という音とともに家がグラグラと大きく揺れました。窓がミシミシときしんでいます。私はふとんにもぐり込み、小さくなって揺れがおさまるのを待ちました…。新潟県長岡市に来た最初の晩の出来事です。その夜は八回もの余震があり、怖くて眠れませんでした。被災した方々の恐怖を身にしみて感じ、(家に帰りたい、家族と和やかに食事をして、温かいベッドで眠りたい)と強く願いました。でも、私には帰る家があります。帰る家もない被災者の気持ちを思うと涙が出そうになりました。やっぱり帰るわけにはいかない、私にできることをしっかりやろうと決意して朝を迎えました。

宣伝カーの窓たたきお礼

 第29号には「宣伝カーの窓をたたき、お礼」という記事が。

 ――物資届け隊として下条町地域を宣伝カーで回っていました。雨の中を女性が宣伝カーに駆け寄り、窓をたたきました。この女性は、震災直後に党のボランティアから粉ミルクとウサギのぬいぐるみを受けとったそうです。「ぬいぐるみは小さくてお古のものだったけれど、震災で呆然としていた心を温めてくれました。宣伝カーのアナウンスが聞こえたので、どうしてもお礼が言いたかった」と語りました。

自衛隊員も参加した

 第44号には元自衛隊員のボランティアが登場しました。

 ――「テレビなんかでようすを見とって、“何かせんといかん”と思うとった」と、はるばる九州から参加した東谷さん(仮名)。実は二年前に自衛隊を定年退職しました。インターネットで被災地自治体のボランティアの募集状況を調べてみましたが、「県外からは受け付けていません」ばかり。あきらめかけていたところ、公共施設の「しんぶん赤旗」で全国救援センターのことを知りました。「こういうこと(被災地の救援活動)は主義主張じゃないけ」ときっぱり。…最初の活動は物資の「お届け隊」。「現地に行って一発でその大切さがわかったとです。おとしよりが集まってきて、どんなにかありがたそうーに頭を下げよるか。行政の力が足りないところを補って、被災者一人ひとりのために何でもやる――これが“共産党のボランティア”か、と感心しました。今回いちばん勉強になったことです」と話します。

収穫の喜びをわかちあう

 「農家と収穫の喜びをわかちあって」という収穫隊リーダー、石井淳さん(31)の手記を掲載した第54号も反響を呼びました。

 ――小千谷市で、全国から届いた物資を手渡しながら対話していたとき、「野菜をいっしょにとってくれないか」と声をかけられ、すぐに引き受けました。…はじめての体験で足をとられ、さっそく三人転んで泥まみれに。…くたくたの重労働でしたが、楽しかったです。畑でも、山道でも、みんな笑顔が絶えませんでした。立派な大根がどんどん採れてうれしかったし、なによりも農家の方々の収穫できる喜び、満足そうな表情が印象的でした。とれたての大根をみんなでかじりました。甘くて、ナシのようで、ほんとうにうまかった。「おいしいですね」と私たちが言うと、農家の方は誇らしそうにして喜んでいました。

仮設住宅を一軒一軒回る

 十二月十二日付の第60号には「仮設住宅―うずまく要求」という見出しがあります。

 ――小千谷市元中子地域で、二百四世帯の仮設住宅を一軒一軒たずね、約半数と対話、全戸に制度紹介のビラを届けました。党ボランティアの車とわかると、「共産党さんですか。物資はありますか」と声をかけられました。…「着の身着のままで逃げてきた。服は一度も着替えていない」「家の片付けはこれから。生活用品もなにもかも足りない」。

 救援センターには今日も切実な声が寄せられています。(ニュース内容は日本共産党ホームページの全国救援センターの日誌コーナーで読むことができます)



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