2004年12月12日(日)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の仁比聡平参院議員事務所が、日本道路公団と企業との癒着をめぐる国会質問準備のために同公団に資料請求をしたところ、この文書がそのまま調査対象企業に流れていたことが十一日、本紙の調べでわかりました。同公団は、「このような文書は外部に出すようなものではない」として事実関係の調査を約束しました。
漏えいが明らかになったのは、仁比事務所が十一月三十日に国土交通省国会連絡室にファクス送信した資料請求文書。資料請求の窓口となった同省国会連絡室が作成した表書きも添付され、両方とも企業に流れていました。これは、仁比事務所が同国会連絡室に資料請求文書をファクス送信した後、外部に漏れたことを示しています。
資料請求は、道路公団と都内の建設材料卸会社との癒着関係を調査するためにおこなったものです。この会社は、プレストレスト・コンクリート(PC)橋にかかわる工法などを工事受注企業に販売する企業。国土交通省発注のPC橋では一割前後しか採用されていないのに、道路公団発注では六割近くのシェアを占めている工法もあり、道路公団との関係が業界でも注目されています。
同社役員には、道路公団OBが就任しています。
仁比事務所は、道路公団とこの会社の特許権などをめぐる関係を明らかにする資料の提出を求めていました。
同社の関係者によると、仁比事務所が資料請求をした翌日には、同社社長が資料請求文書を入手して、対策を協議。社長は、道路公団の技術系幹部から入手したと明かしたといいます。
本紙の取材に同社の総務担当の副社長は「社長から(資料請求の)文書をみせられた。打ち合わせでも話は出た。社長が誰からもらったかは分からない」と資料請求文書が漏れていたことを認めています。
日本道路公団就業規則では、公団の業務上の機密を漏らすことを禁じており、同広報・サービス室では「このような文書は外部に出すようなものではない。事実関係を調査したい」と話しています。
日本共産党の仁比聡平参院議員の話 私たちの国会質問の準備のための資料請求が、道路公団から調査対象企業に漏えいしたと聞いて驚いた。事実とすれば、国会議員の質問権にかかわる重大な問題だ。道路公団とその企業の異常な関係を示すもので、徹底した調査を求めていきたい。