2004年12月10日(金)「しんぶん赤旗」
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東京都教育委員会が学校行事の際に「日の丸・君が代」を生徒、教職員に強制していることに反対を呼びかけるアピール「生徒の『内心の自由』を押しつぶしてはならない」に、井上ひさし(作家)、加藤周一(医学博士・評論家)、澤地久枝(作家)、三木睦子(三木武夫元首相夫人)、山口昭男(岩波書店社長)の各氏はじめ各界の著名人、教育者、保護者ら八百五十九人が賛同を寄せていることが九日、明らかになりました。
アピールを呼びかけた勝野正章東大助教授、小森陽一東大教授、ジャーナリストの斎藤貴男、「子どもと教科書全国ネット21」事務局長の俵義文の各氏が同日、会見し発表しました。四氏はこれに先立ち、横山洋吉都教育長、木村孟教育委員長に「日の丸・君が代」の強制を撤回するよう申し入れました。
アピールは、都教委の処分をかざした「日の丸・君が代」の強制が、教職員にとどまらず生徒の内心の自由を押しつぶす新たな事態に至っていると指摘。「日の丸・君が代」の強制を教職員、児童・生徒に押しつける通達や実施指針、不当処分の撤回を都教委に求めるとともに、強制反対の声を広くあげることを訴えています。
会見で小森氏は、「学校が国家の意思を末端まで伝える権力教育の場になるのをくい止めるせとぎわにある」と指摘。斎藤氏は「日の丸・君が代」強制の背景に、憲法改悪の方向と同じ日本を戦争する国にする狙いがあるとのべました。
小森陽一氏(東京大学教授)ら六氏が呼びかけた「東京都教育委員会のあらたな『日の丸・君が代』強制への反対を呼びかけるアピール」の主な賛同者を紹介します。(敬称略、肩書きは発表のまま) 池内了(名古屋大学教授)、池田香代子(翻訳家)、石川文洋(報道写真家)、井上ひさし(作家)、小笠原公子(日本キリスト教協議会平和・核問題委員長)、加藤周一(医学博士)、金子勝(慶応大学教授)、鎌田慧(ルポライター)、早乙女勝元(作家)、佐藤学(東京大学教授)、澤地久枝(作家)、新藤兼人(映画監督)、杉井静子(弁護士)、高橋哲哉(東京大学教員)、鶴見俊輔(哲学者)、寺中誠(アムネスティ・インターナショナル日本事務局長)、堀尾輝久(東京大学名誉教授)、松崎菊也(戯作者)、三木睦子(三木武夫元首相夫人)、山口昭男(岩波書店社長)。