2004年12月6日(月)「しんぶん赤旗」
「ストップ!八ツ場(やんば)ダム―住民訴訟スタート集会」が五日、東京・渋谷区で開かれました。八ツ場ダムをストップさせる市民連絡会の主催。群馬、栃木、茨城、埼玉、千葉、東京の各都県から二百五十人が参加しました。群馬県長野原町に計画中の八ツ場ダムは治水・利水の両面で必要ないムダな公共事業であり、負担金支出は違法として先月、一都五県の住民が相次いで知事らを相手取り住民訴訟を起こしています。
治水問題にくわしい新潟大学の大熊孝教授、水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表、土木技術者の矢部俊介さんが発言しました。
大熊教授は、治水計画の根拠とされる「基本高水」について、測定値は誤差が多いと指摘。八ツ場ダムは、国の想定する洪水の調整機能を持っておらず治水上、役に立たないと話しました。
矢部さんは、計画予定地の岩盤が弱いことはダムにとって致命的とし、完成したとしても貯水の段階で崩壊する危険性もあると述べました。
民主、社民、共産の野党各党が参加。日本共産党の塩川鉄也衆院議員が八ツ場ダム計画を中止に追いこむためともにたたかう決意を述べました。
東京・杉並区から参加した女性(35)は「ダム予定地の地盤の危険性について初めて聞きました。計画した国の考慮があまりにも不十分。事実を多くの人に知らせダムを止めたい」と話しました。