日本共産党

2004年12月6日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPress

12・12全国青年大集会へ

辞めない、労組で変える


 長時間労働やリストラ、きびしい就職難…。若者たちの「人間らしく働きたい」「若者に仕事を」の声は渦巻いています。声をあげ、たたかって改善させたケースも各地で生まれています。こうした若者たちが十二日、全国から集まり東京で大集会を開催、経験や運動を交流します。たたかう若者たちを紹介します。菅野尚夫記者

埼玉

ボーナス5倍を実現「おまえらクズ」に報いた一矢

 埼玉県嵐山町(らんざんまち)の全国一般労働組合嵐山清掃支部(全労連加盟)は、組合結成から一年たちました。支部長の鈴木友之さん(31)と副支部長の束田宏さん(34)は、「労組ってすごい。辞めることしか考えなかったけど、『居心地のいい職場に変えられるんだ』と実感できた」と、笑顔で話しています。

 「クビになってでも会社にものをいいたい」。昨年十一月に二人は、そんな思いで日本共産党嵐山町議、清水正之さんの自宅を訪ねました。

 会社は、埼玉県比企郡の自治体のゴミ収集などの事業をしています。

 束田さんは、当時の職場の実態を話します。

 「『かわりはいくらでもいる。おまえらはクズ』と暴言をはく部長。契約社員への差別賃金、専務の横暴で物言えぬ職場。不満が充満していた」

 鈴木さんは、「一矢報いたいという思いでした。意見をいうと報復され、数分の遅刻を理由に、一回十万円もの罰金を取られた」といいます。

 二人の話をじっくりと聞いてくれた清水町議は「会社を辞めるのはいつでもできる。労働組合をつくったらどうだ」と助言してくれました。

勉強会から

 「労組ってストするところぐらいしか知らない。選挙にも行かなかった」鈴木さん。仲間との勉強会から始まりました。そして、昨年十二月に三十代の青年労働者が中心になって労働組合を結成。十数項目の要求をまとめて今年一月に第一回の団体交渉をしました。

 「最初は専務を目の前にして何もいえなかった。対等に話をできる権利が団体交渉権なんだということを勉強して、自分たちも発言できるようになった」と鈴木さん。これまで団交すること十二回。「契約社員を正社員に」「一律三万円の賃金引き上げ」などを粘り強く交渉し、契約社員のボーナス五倍化などが実現(別項)しました。

 「希望が芽生えた職場」に変わっていくなか、「3K(臭い、汚い、きつい)仕事のやりがいってなんだろう」と話し合いました。「3Kだけど住民のための仕事ではないか」―。討論の結論でした。労働組合は、住民に喜ばれ信頼されるように、ゴミひとつ残さずきれいに収集すること、ゴミを規定量以上に積まず安全運転することを決定し、実行しています。

勝ち取った成果

 (1)契約社員のボーナスが上限5万円から5倍に改善。

 (2)有給休暇を取るとボーナスが減るようなことはなくなった。

 (3)午前7時半までに連絡すれば当日でも有給休暇が取れるようになった。

 (4)ボーナスの査定基準が明確にされ改善された。

 (5)組合掲示板の設置を認めさせた。

 (6)部長の暴言がなくなり改善された。

 (7)配車の差別をなくし公平なローテーションにした。

 (8)契約社員の3月雇用打ちきりを撤回させる。

静岡

派遣使い捨て許さない マイクロバスで集会にも

 菅原良子さん(27)=東京都西東京市=は、登録型派遣社員です。パートや派遣社員など非正規社員の青年労働者のための首都圏青年ユニオン書記次長。四日に結成した静岡青年ユニオンの中心になって活動しています。全国青年大集会には、静岡からマイクロバスで参加します。

 菅原さんは結婚して東京にくるまで、静岡県の大手自動車部品メーカーで派遣社員として働いていました。アジアや欧米から資材購入するグローバル購買プロジェクトを統括する部署。海外出張をこなし、財務、法務、IT部門などの副社長レベルのビジネスマンとも交渉します。

 「正社員が責任を持ってする仕事内容でした。でも、『正社員への道はない』とはっきり言われました。私のスキル(技能)や経験のいいとこ取りをされ、使い捨てにされているようで、夢も希望もありませんでした」

 こうした派遣社員の働かされ方で、たくさんの悩みをかかえ、「ニート予備軍」になっていると語る菅原さん。「私の体験もいかしてインターネットで派遣や請負、アルバイトなどで働く仲間の相談に応じています。泣き寝入りせずに青年の要求が実現できる労働組合にしたい」

京都

未払い賃金払わせた 裁判で正しいこと証明

 京都市の食品加工会社で、正社員として働いていた木村淳治さん(22)=仮名=は、今年四月に六十七万円の未払い賃金分を払わせました。日本共産党に相談し、裁判に訴えての成果です。

 木村さんは、朝五時から、長いときには十五時間も働いて十七万円しかもらえず、たたかって解決する道を選択しました。まず、労働基準監督署に、会社へ指導をしてもらいました。が、「恩情で一カ月分の十七万円なら払ってもいい」と社長。社長の見下した言葉に、「絶対に泣き寝入りしないぞ。裁判してでも正しいことを証明する」と決意しました。

 弁護士に頼むお金もなく、自分で簡易裁判所へ。青年応援団の「働く青年サポート委員会」の支援もあって、三回の口頭弁論で和解が成立。「支援してくれる仲間がいるというのは素晴らしい。労働組合をつくって、皆で助け合って働きやすい職場にする輪が広がればいいですね」

 「青年に仕事を」「人間らしく働きたい」全国青年大集会 (同実行委員会主 催)

 日時 十二月十二日午後二時から 三時半からアピールウオーク

 場所 東京・渋谷区の宮下公園

 各団体、政党からのあいさつの後、各地の運動の交流や働く権利をかちとった青年からの発言。集会アピールを採択したあと渋谷の街をアピールウォーク。日本共産党からは志位和夫委員長があいさつ。

 プレ企画「人間らしく働ける社会を」要求実現全国学習・交流会は、午前十一時から零時半までエデュカス東京、民青会館を会場にして開かれます。連絡先は同実行委員会事務局 03(3468)5301


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すぐ緊張してしまうリラックスするには

成長の証し、困りすぎないで

  緊張しやすくて困っています。異性や自分と違うグループの人に話し掛けることができません。少しでも話すときは、気になって手で顔を隠してしまいます。また、試験でもいつも頭が真っ白になってしまい、いつもならできる問題もできず、自己嫌悪になります。うまくリラックスできる方法はありませんか。(香川 17歳 女性)

  あなたは十七歳ということですから、子どもからおとなへの間にいます。自分がどういう人間かを知って、自分を作っていく途上です。

 自分を知るために、人との違いを強く意識するというのは当たり前のことです。

 自意識が強くなって、異性にたいして緊張したり、自分と違う人と比較してみたりするのは、成長していることのあかしです。

 そうならないことの方が、おかしいのですから、困ったり、自分が変だと思う必要はないのです。自分が形づくられてくれば、そのうち落ち着いてきます。

 たぶん周りの人もあなたと同じ。でも、うまく隠しているだけなんですよ。そう思うと気も軽くなるでしょう。

 試験のときに緊張するのも、自分の人生にとって大事なこととして、あなたが真剣に考えているからではないでしょうか。

 あんまりつらいなら、深呼吸をして冷静になる、香りのアロマテラピーをするなど、何か、おまじないのような儀式のようなものを考えてはどうでしょう。

 とにかく緊張することに困りすぎないこと、意識しすぎるとかえって緊張します。

 そういうときなんだ、みんなそうなんだと思ってみましょう。


 精神科医 上村順子さん 山口大学医学部卒。代々木病院、松沢病院などで勤務。99年からめだかメンタルクリニック院長。



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