2004年11月27日(土)「しんぶん赤旗」
文部科学大臣の諮問機関である中央教育審議会(鳥居泰彦会長)は二十六日の総会で、これまで支援制度の確立していなかったLD(学習障害)などいわゆる「軽度発達障害」の子にも対応する「特別支援教育」についての中間報告を了承しました。
「特別支援教育」は、従来の障害児教育の対象となっている子どもに加え、LD、ADHD(注意欠陥多動性障害)、高機能自閉症などの子を対象とするものです。「一人一人の教育的ニーズを把握し…適切な指導や必要な支援を行う」とされています。
中間報告は、障害種別にわかれている現行の盲・ろう・養護学校を、「さまざまな教育的ニーズ」や「障害の重度・重複化」に対応するため、障害種別を超えた「特別支援学校(仮称)」に改編。小・中学校への支援など地域の「特別支援教育」のセンター的機能を持つと位置づけました。
小中学校については、「軽度発達障害」の子を含む障害児が、原則として通常の学級に在籍しながら必要な時間だけ障害に応じた指導を受ける「特別支援教室(仮称)」を実現する方向での制度見直しが適当とし、当面、モデル校などでの試行を進めるとしています。この「見直し」が障害児学級の廃止を含むことへの不安や反対の声が大きいことを反映し、「固定式の(障害児)学級が有する機能を維持できるような制度の在り方」を検討するとのべています。
中教審は今年度内に最終答申を出す意向です。
LD(学習障害) 全般的な知的発達には遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するなどの能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難がある状態。 ADHD(注意欠陥多動性障害) 年齢に不つり合いな注意力や衝動性・多動性を特徴とする行動の障害で、学業などに支障をきたすもの。 高機能自閉症 他人との社会的関係をつくることが困難で、言葉の発達の遅れがあり、興味や関心が狭く、特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないもの。 |