日本共産党

2004年11月26日(金)「しんぶん赤旗」

東京労働局

ビックカメラを捜索

サービス残業常態化の疑い


 大手家電量販店ビックカメラ(新井隆司社長)が社員に労使協定を超えるサービス残業(ただ働き)をさせていた疑いが強まったとして、東京労働局は二十五日、労働基準法違反(割増賃金未払いなど)の容疑で、同社の本部ビル(東京都豊島区)や店舗など計四カ所を家宅捜索しました。

 調べによると、同社は東京都内など複数の店舗で、従業員に労使協定の範囲を超える時間外労働を強いたうえで、労基法で定められた割増賃金の適正な支払いを怠っていた疑い。また、同社の店舗のフロア責任者だった元従業員に対して、二○○二年十一月から昨年九月までの間、約二百五十万円の残業代を支払っていなかった疑いです。

 今年秋に、元従業員が同法違反容疑で同社を告発。同労働局が調査をすすめた結果、サービス残業が常態化していた疑いが浮上しました。

 サービス残業問題については、日本共産党が一九七六年に国会で初めてとりあげて以来、二百四十回を超える質問でくり返し政府を追及してきました。サービス残業なくせの世論の盛り上がりに、厚生労働省は二十三日に無料相談ダイヤルを初めて設けるなど、十一月を「賃金不払い残業キャンペーン月間」に設定しています。


関電にも是正勧告

 関西電力(本店・大阪市北区)は二十五日、複数の事業所でサービス残業(ただ働き)があったとして、労働基準監督署から残業に対する割増賃金を支払うよう是正勧告を受けていたことを明らかにしました。電力業界では十八日、東京電力が本店勤務の九割の労働者二千八百人に総額十四億四千百万円分のサービス残業があったと発表したことに続くものです。

 関電の職場では、一九九九年暮れに思想差別争議を全面勝利した元関電争議団らが電力労働運動近畿センターを設置。労働者とOBがサービス残業問題をはじめ、運動を広げてきました。労基署が九月以降に実施した立ち入り調査でサービス残業が発覚しました。

 労働組合(連合・電力総連加盟)も各職場で「会社責任でサービス労働排除を」(姫路電力所支部)と会社側に申し入れてきました。

 関電は、サービス残業代の総額や人数、期間などで社内調査を実施。労基署の指導を「真摯(しんし)に受けとめ、早急に対処していきたい」としています。

 同センターの幹事で、実態を調査してきた坂東通信さん(63)は「会社はただちに改善してほしい」と話しています。



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