2004年11月25日(木)「しんぶん赤旗」
日本高等学校教職員組合(日高教)と全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)は二十四日、「高校生の就職実態調査のまとめ」を発表しました。十月末現在、来春卒業予定の高校生で就職を希望している生徒の内定率は61・1%で、希望者十人のうち、四人が未内定という勘定です。
調査は、日高教、全国私教連加盟の各県組織を通じて就職内定状況をまとめたもので、二十七道府県四百二十三校、七万七千人余の実態を反映。
調査によると、就職希望者は二万二千八百二十四人。うち内定した生徒は一万三千九百五十四人で、内定率の61・1%は昨年同期(53・4%)を7・7ポイント上回りました。
調査は、高校生の就職難は底を脱したかに見えるが、実はいっそう深刻になっていると分析。第一には、求人の絶対数が減少するなかでやむなくパートや派遣など不安定雇用の職に就く生徒が増えているとしています。内定者に占める不安定雇用の数は0・7%ですが、記述欄には求人のなかで不安定雇用の増加を強調する声が全国から寄せられました。
第二には、「就職・進学以外」の進路を選ぶ生徒が4・5%、三千四百八十三人にのぼっていると指摘。その多くが就職難を目前に就職をあきらめたと考えられると判断、卒業後はフリーターやニートになっていくことを懸念しています。
日高教の林萬太郎副委員長は、「受験する企業がなく、多くの生徒が卒業後フリーターになると予想されます。政府がイニシアチブをとり、大企業が率先して正規雇用での就職保障をしてほしい」と語りました。