2004年11月25日(木)「しんぶん赤旗」
日本経団連(会長・奥田碩トヨタ自動車会長)は二十四日、加盟企業が政党に献金するさいの基準となる「優先政策事項」の見直しを発表しました。法人課税の引き下げとともに「消費税を二〇〇七年度以降、段階的に引き上げる」ことを求めています。
今回の「優先政策事項」は、▽税・財政「改革」▽社会保障制度の一体的「改革」▽民間活力の発揮を促す規制「改革」・民間開放▽通商・投資・経済協力政策の推進―など十項目です。
項目数は前回と変わりませんが、今回はじめて安全保障問題にふれ、「内外の情勢変化に対応した戦略的な安全保障・外交政策の推進」という項目をかかげました。具体的な中身については、憲法問題を含めて現在議論している日本経団連の「国の基本問題検討委員会」での結論を踏まえて決定するとしています。
消費税問題について、前回は「消費税の引き上げを検討する」としていましたが、今回は時期を「二〇〇七年度以降」と明示し、消費税率の段階的引き上げを迫っていることが特徴です。また、社会保障制度の一体的「改革」の項目で高齢期の医療・介護保険制度は「自助努力すべき部分は給付から外す」ことを求めるとともに、社会保障財源は「消費税を含めてそのあり方を決定する」としています。
優先政策事項 日本経団連が企業献金の“あっせん”再開(二〇〇四年一月)にあたって、最優先している政策をまとめたもの。一回目は、〇三年九月二十五日に発表し、税制「改革」、社会保障「改革」など十項目でした。「優先政策事項」は、毎年見直すことにしています。二回目となる今回の「優先政策事項」は〇五年一月からの献金の基準となります。各政党に対し、献金がほしければ、この政策を優先的に実行して下さいと迫る内容で、「政治買収」そのものです。日本経団連は「優先政策事項」にもとづいて採点した政党「通信簿」を〇四年は自民党と民主党を対象に二次にわたって発表しました。