日本共産党

2004年11月23日(火)「しんぶん赤旗」

仕事と働くルールを たちあがる若者たち

8自治体で意見書採択 宮城

逆向きの国、変えたい


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懇談する井口市長(中央)と青年ら=8月26日、宮城県岩沼市

 宮城県では県議会を含む八つの自治体の議会で、国に若年雇用対策の強化を求める意見書が採択されています。民青同盟や県労連など八団体が意見書案をつくり、就職難に苦しむ青年が採択を求めて行動してきました。

 県議会が六月、全会一致で採択した意見書は、過去最低の就職率やフリーターの急増など深刻な若者の就職難について「日本社会の再生産、存続自体を不可能にしかねない重大な事態」と指摘。企業に若者の雇用を働きかけることや、職業訓練の推進などを国に求める内容で、八団体の案を一部取り入れています。

全会派まわって

 民青同盟やフリーターの青年は、昨年十二月から県議会に十回にわたって足を運び、日本共産党の青野とき子県議と一緒に全会派に対し意見書の採択を求める請願をしてきました。

 登録型アルバイトで仕事をしながら就職口を探している橋本秀人さん(26)は、要請に参加した一人です。賃金が低く仕事が入らない日も続くなど、収入が不安定なことが悩み。求人情報があれば業種を問わず面接を受けます。要請では「企業が経験者や『即戦力』しかとらないという状況がある。こんな現状を変えてほしい」と訴えました。

 要請には、民主党の県議も「若者の雇用が少ないのは深刻な問題だ」と共感し、日本共産党とともに請願の紹介議員になりました。青年らが何度も働きかけたことで請願への理解が広がり、最後まで難色を示していた自民党も意見書の採択に動きました。県議会に若年雇用対策の特別委員会も設置されました。

 橋本さんは「自分たちが行ったことがつながったのかなと思うとすごくうれしい。政府はフランスやドイツのように、若者を財産のように扱ってほしい」と話します。

 民青同盟はその後、県内の全自治体で意見書採択を目指そうと議論。さっそく仙南地方の各自治体で党議員と一緒に行動し、九月に四市三町で採択されました。派遣・パートなど雇用形態による労働条件の格差の是正や、サービス残業の根絶で雇用拡大をはかることなども盛り込まれ、県議会より進んだ内容になりました。

岩沼市長が署名

 岩沼市では青年らが井口経明市長と懇談。市長は市内の企業への訪問などの取り組みを紹介し、青年の雇用を求める署名にも応じました。

 民青同盟の矢部真理県委員長は「自治体が頑張ろうとしても国の姿勢が逆を向いているので予算面など限界があることを痛感します。引き続き全自治体での意見書採択を目指しながら、青年の切実な声を『黒書』にまとめ、国の姿勢を変えていきたい」と話しています。

 東北総局 細川豊史記者



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