日本共産党

2004年11月22日(月)「しんぶん赤旗」

日本共産党議員の質問から


農業基本計画は農家切捨て

紙議員 地域壊れる

 紙智子議員は十八日の参院農林水産委員会で、小泉内閣が検討を進めている「食料・農業・農村基本計画」の見直しによって圧倒的な農家が切り捨てられると追及しました。

 政府は、新基本計画で経営安定対策の対象とする農家について、年間所得で他産業並みの五百三十万円を得ることを目安に、一定規模以上の経営にするとしています。ところが現在、都府県でこの所得を確保できる農家は3%にすぎません。

 また、面積基準は、現行のコメ政策の支援対象となる北海道で十ヘクタール、都府県では四ヘクタールより高い水準とし、対象となる経営規模の農家はわずか十万戸以下です。

 紙氏は、「『担い手』の絞り込みで圧倒的多数の農家が切り捨ての対象になる」として、経営面積などで一律に要件を設けるべきでないと追及。須賀田菊仁農水省経営局長は「担い手になるよう努力してほしい。兼業収入で家計をまかなえる人は担い手に土地を出してほしい」と答えました。

 紙氏は、島根県議会が小規模農家も日本農業の重要な担い手として明確に位置づけるよう求める意見書を上げていることにもふれて「地域農業も農村の地域機能も一部の大規模農家だけでは維持できない」と強調しました。島村宜伸農水相は「強靭(きょうじん)な農業をつくることにつきる」と答えました。

多国籍企業中心の経済連携協定

大門議員 農家共存図れ

 大門実紀史議員は十六日の参院財政金融委員会で、経済連携協定問題を取り上げ、多国籍企業のもうけ本位ではなく、相互の経済関係を深め、発展を促進するように切り替えることが必要だと強調しました。

 大門氏は、日本が工業製品を輸出し、東アジア諸国が農産物を輸出する構図になると指摘したうえで、二国間経済連携を進める上で重要になる途上国の農業の実態を紹介。メキシコからの豚肉輸入ではアグリビジネス(農業企業)が担い、中国からの輸入では残留農薬が問題に。タイでは、日本向けのエビの養殖でマングローブの林が姿を消し、エサの沈殿で海水汚染が拡大しています。

 大門氏は「アグリビジネスが環境問題、食品の安全問題を引き起こしている」と強調。そのうえで、「日本から製品を輸出するのも多国籍企業、途上国から農産物を輸入するのも多国籍のアグリビジネスだ。国民不在、農家不在になっている」と指摘。「企業がもうけることが中心ではない、双方の農家が共存していける道を模索するよう切り替える必要がある」と提起しました。

 谷垣禎一財務相は「アジアとの共生、日本の農業が持っている役割の両立を果たしていかなければいけない」と答弁しました。

審議会構成 ここが問題 吉川議員

最賃審議会委員 女性18%だけ

パート賃金 影響大きいのに

 吉川春子議員は十八日の参院総務委員会で、政府の各種審議会のあり方について質問し、国民の声が反映できる委員の構成にすべきだと求めました。

 吉川氏は、パート労働者の賃金決定に大きく関係する、都道府県ごとの地方最低賃金審議会について、あわせて七百十一人の委員のうち女性委員は百三十人(18・3%)で、一、二名しかいない地域も十八府県あることを指摘。「これでは女性パート労働者の声が反映できない」として、改善するよう求めました。

 厚労省の高橋満審議官は、女性比率を30%以上にするという政府の目標を「できるだけクリアできるようさらに努力していきたい」と答えました。

 政府の指針では、一人の委員が就任できる審議会の数を三つまでとし、特段の事情がある場合でも四つを上限としています。吉川氏は、三つの審議会を兼任している委員が五十八人、四つ兼任が十六人もいる実態を示し「公正にいろんな国民の声を聞くには、一人の委員があちこちに顔を出すのは好ましくない。委員の明確な選考基準はあるのか」とただしました。

 麻生太郎総務相は「もっとも適当だと思われる人をそれぞれの審議会ごとに選ぶものだ」と答弁しました。

原子力2法人の統合化

小林議員 核燃撤退を

 日本原子力研究所と核燃料サイクル機構を統合し独立行政法人化する法案について、十八日の参院文教科学委員会で参考人質疑が行われました。

 小林みえこ議員は、新法人の業務として核燃料サイクル開発を明記していることについて「大変問題だ。核燃料サイクル路線はプルトニウム利用という危険極まりないもので、撤退して安全が最優先される方向へ転換すべきだ」と強調しました。

 小林氏が「原子力行政の推進部門と規制部門が分離されていないことが問題だ。安全確保のために独立した規制機関の確立が必要ではないか」と質問したのにたいし、秋山守東京大学名誉教授は「必要かつ望ましい」と答え、鹿内博青森県議会議員は「やっぱりきっちりと分離して確立していただきたい」とのべました。

 小林氏は、独立行政法人化で原子力の安全研究が今後すすめられるか危ぐする声があることも紹介し、予算と人員の確保について質問しました。

 「安全を中心とした活動に支障が生じないように十分に支援していきたい」(秋山氏)、「十分予算を確保してしっかりと安全研究をしてほしい」(鹿内氏)と安全研究の充実を求める意見が出されました。



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