日本共産党

2004年11月19日(金)「しんぶん赤旗」

陸自警務隊で「カラ出張」

幹部が旅費不正受給

参院外交防衛委緒方議員追及

防衛庁長官が調査約束


 陸上自衛隊の警務隊幹部らが「カラ出張」による旅費の不正受給を行っていた疑惑が十八日、参院外交防衛委員会で明らかになりました。元陸自幹部の「不服申し立て」をもとに日本共産党の緒方靖夫議員が追及したもの。大野功統防衛庁長官が、調査し公表することを約束しました。


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質問する緒方靖夫議員=18日、参院外交防衛委

 告発したのは、陸自会計監査隊・東部方面分遣隊の一等陸尉だった加藤好美氏。備品購入をめぐる背任容疑で警務隊に二〇〇二年八月に逮捕され懲戒免職処分になりました。しかし、不起訴となったことから免職撤回を求めて防衛庁長官に不服申し立てを行い、そのなかで、自衛隊内部の不正を告発しました。

 告発したのは、陸自第112地区警務隊霞ケ浦派遣隊所属の一尉など三隊員が二〇〇二年一月から三月に行った出張四件での旅費不正受給。行き先は相馬原や松山などの駐屯地ですが、実際は「旅行先部隊において、給食、宿泊依頼を受けた事実がない」などの具体的事実を示し、「カラ出張」の疑いを指摘しています。加藤氏は、当時、会計監査隊でこれら三隊員の文書監査を担当。疑問を持ち、出張先に直接問い合わせ「カラ出張」が判明しました。こうした「裏金」づくりは「習志野」「宇都宮」「相馬原」「小平」「立川」各駐屯地の警務隊でも行われたと指摘します。「裏金」工作は警務隊以外でもあり、年間総額は部隊規模により数十万円から数百万円といいます。

 緒方議員は、司法警察の職務権限をもち、自衛隊内の犯罪を取り締まる警務隊で組織的不正の疑いがあるのは重大だと指摘。「長官の責任で徹底調査し、その結果を公表すべきだ」と要求。大野長官は「(調査・公表の)要望に沿わしていただく」と言明しました。


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 警務隊 自衛隊法で「司法警察職員」とされ、自衛隊内での犯罪の予防・摘発を担当し、自衛隊員だけでなく場合によっては一般人も取り締まることができる部隊。防衛庁長官の直轄で、陸海空自衛隊がそれぞれ独自の本部と指揮系統をもっています。



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