2004年11月17日(水)「しんぶん赤旗」
新潟県中越地震で、長岡、小千谷両市内の高校に通う高校生に、内定取り消しや採用の延期、求人取り消しなどの影響が出ていることが十六日までに明らかになりました。両市の高校によると、現在分かっているだけで、内定取り消し一人、内定後の採用延期二人。そのほかにも求人取り消しがあり、「震災後、求人が取り消され試験を受けられない」という状況も生まれています。
進路指導をしている教師によると「進学を希望していたが、地震後、自宅の状況を気にして、就職希望に進路を変えた生徒もいる」ケースもでています。
長岡、小千谷両公共職業安定所は、高校生の就職状況の震災での影響は、内定を出した企業が直接学校に電話することもあり、詳しい数などは現在調査中です。
内定取り消しがあったある高校の進路指導の教師は、「内定取り消しになった生徒には、新しい就職先も紹介し生徒自身も次に向かって考えている」といいます。両市内の多くの高校では生徒に動揺や不安はまだ広がってはいませんが、教師の間では「今後、影響が出てくるのでは」との懸念の声がでています。経済的理由で進学から就職に進路を変えた生徒のいる、高校の進路指導の教師は、「家庭のこともあるので、生徒とゆっくり話し合って一緒に考えていきたい」と話していました。
両職安では地震後、電話で事業者に被害状況や求人について確認しました。それぞれ、長岡では二十五件、小千谷では四十七件の企業が求人を取り消し。高校生の求人取り消しは、長岡で五件十九人、小千谷で二件二人ありました。長岡職安は「今はまだ、片付けや復旧作業で事業者も大変。これからまだ求人の取り消しなどもでるかもしれないが、復旧とともに求人の新規開拓などを行っていきたい」と話しました。