2004年11月17日(水)「しんぶん赤旗」
日本医労連は十六日、十月十二日から二十二日までに全国で実施した退勤時間調査のうち、四十八組合八千四百四十六人分の回答をサンプル集計し、発表しました。
この調査は、日本医労連が医療現場における長時間労働の改善とサービス残業(不払い残業)の根絶のために初めてとりくんだもの。全体では約二百の医療機関で二万人近くから回答が寄せられており、十一月十五日から十九日を第二次ゾーンとして同様の調査を行います。
サンプル調査集計の特徴をみると、医療労働者の大半が交代制勤務であるにもかかわらず、平均で一日七十分以上の残業をしており、始業時間前の時間外労働が平均十五・八分、終業時間後の時間外労働が平均四十六・八分となっています。
時間外労働の賃金がきちんと支払われているのは35・8%にとどまります。
各種統計資料を参考に不払い分の賃金を推計すると、一人当たり年間約四十二万円、全国の病院職員約百六十五万五千人では、年間総額七千億円程度になるとのべ、「これを全額増員に回すとすれば、十二万人の増員が可能」としています。
日本医労連では、各組合で調査を集計し、経営者との交渉などで活用するほか、十九日には中央行動を実施し、厚生労働省など各省庁に医療・看護人員を増やすよう要請していくことにしています。