2004年11月13日(土)「しんぶん赤旗」
日産ディーゼル工業(埼玉上尾市)は十二日、大型車の車輪と車軸をつなぐ部品「ハブ」に強度不足の欠陥があったとして三万九百八十九台のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出ました。
前輪ハブに亀裂が、整備工場での点検で四十九件見つかりました。タイヤの脱落はありませんでした。
横浜市で母子死傷事故(二〇〇二年)を招いた三菱ふそう製「ハブ」に続き「壊れることを想定しない部品」にまた危険信号がともりました。
亀裂の発生メカニズムも三菱と同じ。ハブフランジ(つば)部のつけ根に応力が過大となり微小な亀裂が発生。破断へと進行する恐れがあります。
対象は一九九七年十月から二〇〇四年九月製造の大型トラック「ビッグサム」やバスなど十七車種。
同社は〇二年八月以降、定期点検時などに五件の亀裂を発見。うち四件が新潟県の同じ業者の車で、同社はホイール・ボルトの過大締め付けだったなどの理由で「整備上の問題」と処理していました。
今年四月、国土交通省が大型車のホイール・ボルト折損に関する緊急点検を実施した際、ハブも同時に点検し亀裂六件が判明。その後、今年七月中旬から八月末にかけて販売店に入庫した車両を調査し「ホイール・ボルトの過大締め付けや過積載など想定を超える使用環境にたいして耐久強度が十分でない」としてリコールをしました。
記者会見した広瀬正敏専務取締役(お客様サービス部統括)は「(三菱で)社会問題になっている部位である」としたうえで「設計・製造上の欠陥ではないが安全を優先する立場からリコールする」と強調しました。