2004年11月12日(金)「しんぶん赤旗」
自民、民主両党の国防族議員や日米の軍需企業が中心となった「日米安全保障戦略会議」の会合が十一日、東京都内の憲政記念館で始まりました。
憲政記念館は憲法を守ることを建前にしている会館。会合では、集団的自衛権の行使容認や憲法改悪が主張され、米国の軍需企業が日本への売り込みに躍起になっている「ミサイル防衛」装備などの展示会も行われました。
会合が憲政記念館で開かれたのは昨年に続き二回目。自民党の額賀福志郎安保調査会長や民主党の前原誠司「次の内閣」防衛庁長官らが講演しました。
額賀氏は米国が進めている軍事態勢の再編問題について「同盟国との連携の強化を前提とするもの」だと指摘。米国が対処しようとしている中東から北東アジアまでの「不安定の弧」と呼ぶ地域は「わが国にとっても死活的に重要な地域」とし、日米は「一九九六年の日米安保共同宣言とその後の新ガイドライン(日米軍事協力の指針)策定に続く日米安保体制上の新しい転換点、重要な岐路に立っている」と強調しました。
来月に期限が切れるイラクへの自衛隊派兵の延長や、海外派兵を主要任務に格上げすることが重要だと述べ、「集団的自衛権を行使しないことはわが国が国際責任を果たしていく上で一つの問題点になっている」と行使容認を主張。敵基地攻撃能力の保有について巡航ミサイルの導入も「今後の検討課題」だと述べるとともに、憲法九条「改正」の必要性も強調しました。
前原氏は「(民主党への)政権交代が仮に実現しても外交・安全保障という国の基幹の問題についてはそれほど大きなスイングがあってはならない」と述べました。