日本共産党

2004年11月11日(木)「しんぶん赤旗」

反学会ジャーナリストを“盗聴”

創価大グループ携帯通話記録盗み出し

地検調べで新事実発覚


 創価大学グループによる携帯電話通話記録盗み出し事件で、起訴された実行犯は創価学会を批判しているジャーナリストの通話記録も盗んでいたことが、十日わかりました。

 東京地検特捜部の調べで判明したもの。被害者のジャーナリスト乙骨正生(おっこつまさお)氏が同日記者会見し、明らかにしました。地検は起訴直前に乙骨氏を呼んで事実を伝え、被害調書を作成しました。

 電気通信事業法違反で起訴されているのは、創価大出身でドコモシステムズ元社員の嘉村英二被告(28)。同被告は二〇〇二年三月と四月、NTTドコモの施設内で乙骨氏と元学会員の女性らの通話記録を盗み出していました。

 乙骨氏は創価学会に詳しいことで知られるジャーナリスト。聖教新聞や学会系雑誌が「ガセネタ屋」などと中傷・攻撃しています。通話記録盗み出しは乙骨氏が発行する雑誌『フォーラム21』の発刊時期(〇二年三月一日)に当たります。

 嘉村被告と乙骨氏ら被害者とは一面識もなく、同被告に乙骨氏らの存在を教え、指揮した者なしに事件は成り立ちません。その真相解明にまで踏み込むことができるかどうか、地検の捜査が注目されています。嘉村被告は〇二年にも別件の通話記録盗み出しで有罪になっています。このとき同被告に犯行を依頼したのは創価大副学生課長(当時)で、同様に有罪判決を受けています。

 同事件の真相究明を求める会は十二日午後三時から、東京・千代田区の衆議院第二議員会館第二集会室で「事件を考える」集会を開きます。


地検は勇気持ち解明を

信仰・言論自由侵害 組織的犯行か

 「地検は勇気を持って全容解明を」。事件を刑事告発していた佐藤せい子さんと福原由紀子さん、被害者の乙骨氏の三人は十日の記者会見でそう訴えました。反学会勢力への組織的犯行の色が濃くなった事件の全容とは―。

 事件は別件の通話記録盗み出しから発覚しました。創価大剣道部監督が女友達の交際相手を探ったもの。この事件で同監督と嘉村被告、同被告に犯行を依頼した創価大副学生課長(創価学会全国副青年部長)が有罪になりました(二〇〇二年十一月)。

 警察はその捜査のなかで、福原さんらの通話記録も盗んでいたことをつかみながら、捜査を中断し、“交際相手調査”だけを立件しました。

 今回の地検の再捜査でわかったのは、嘉村被告はこの調査(四月二十五日)の一カ月半もまえに福原さんや乙骨氏の記録を盗んでいたこと。つまり「“浮気調査”はいわばおまけ。反学会勢力の調査こそが本命」(乙骨氏)だったことです。

 佐藤さんは学会と対立する日蓮正宗信徒団体「妙観講」副講頭で元学会員の福原さんも創価大助教授と離婚後は日蓮正宗信者。そして乙骨氏は学会が蛇蝎(だかつ)のように嫌うジャーナリスト。

 乙骨氏は「通信の秘密侵害だけでなく、信仰・言論の自由の侵害だ。裁判所がかつて日本共産党の宮本顕治氏宅盗聴が創価学会の組織的犯行と認定した事実を想起せざるをえない」。福原さんは「勇気をふりしぼって告発したかいがあった」と語りました。

 問題は今後の地検の捜査。「嘉村被告は一面識もなく、私たちの通話記録を盗むメリットもない。彼に犯行を指示した背後関係なしに事件の全容解明はない」と佐藤さん。会見では、通信の秘密侵害を放置してきたNTTドコモへの批判の声も出されました。



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp