2004年11月11日(木)「しんぶん赤旗」
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佐賀県玄海町にある藤ノ平ダムから流れ出る濁水から養殖魚を守るための設備を設置するために支払われた補償金が、組合員らに「迷惑料」として配られるなど不正使用されている問題が十日、明らかになりました。同日の衆院農水委員会で日本共産党の高橋千鶴子議員がとりあげたもの。
島村宜伸農水相は「渡したからどうでもいいと放置するのは好ましくない。正しい方向に使われるよう方向付け、指導し確認したい」とのべ、調査し是正させる考えを明らかにしました。
高橋議員によると、ダムが完成した二〇〇三年三月、仮屋湾内でタイ養殖をする仮屋漁協(岩下功組合長)にたいし、濁水から養殖魚をまもるために微細気泡発生装置やオイルフェンスを設けるなど「濁水等抑制対策補償」として約五千万円が支払われました。
しかし、具体的な工事費まで算定されていたにもかかわらず気泡発生装置などは設置されず、組合員らに配分、残額は漁協に留保されています。
高橋氏は、同ダムを含む六町村にまたがる上場土地改良事業をめぐっては事業費が五倍近くに膨れ上がり、農家負担の軽減を求める声があがっていたことを紹介し、「事業費増大の根っこにこうした不正使用があれば重大問題だ。徹底調査すべきだ」と求めました。
仮屋漁協・岩下組合長は本紙の取材に「濁水対策設備費として受け取ったが、迷惑料だと考えており何に使っても構わないと思う」と話しています。