2004年11月10日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長と市田忠義書記局長が九日おこなった、小泉純一郎首相にたいする「新潟県中越地震災害についての緊急申し入れ」は次の通りです。
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新潟県中越地方を襲った震度6から7の強い地震と、その後の度重なる余震によって、新潟県を中心に、甚大な被害が生じている。
わが党は、地震発生直後から、国会議員団と地元の地方議員団、党組織が連携して、被災された方々の救援のためのボランティア、救援募金などの活動にとりくんできた。県知事、被災自治体の市町村長をお見舞いし、要望をうかがってきた。
今回の震災にたいしては、豪雪地帯であること、集落ごとのコミュニティーで支えあって生活してきたこと、高齢化率がたいへん高いことなど、その条件と実態にそくした支援が必要となっている。
被災地の実態、被災者・被災自治体の切実な要望をふまえ、以下申し入れる。
(1)避難生活を余儀なくされている被災者の健康悪化が強く懸念される。メンタルヘルスもふくむ健康管理に万全をつくすため、医師をはじめ看護師、保健師、ヘルパー、カウンセラーなど、医療・保健の専門スタッフを、避難所ごとに常駐配置するなど、医療・保健態勢を抜本的に強化すること。
(2)降雪期がせまっているもとで、希望者全員が入居できるよう、仮設住宅をすみやかに建設すること。そのさい、地域のコミュニティーを維持し、壊さないように十分配慮すること。
(3)被災者生活再建支援法を改正して、住宅本体の再建への公的支援――個人補償を実現し、支給額の上限を大幅に引き上げること。同時に、全壊と大規模半壊だけでなく一部損壊を支援の対象にし、所得制限を基本的に取り払うなどにより、被災者すべてに支援がゆきわたる制度とすること。
(4)地元経済をささえている繊維産業、機械産業、農業、養鯉業、観光業などの復興のために、中小企業の事務所が損壊した場合の公的支援(直接補償)、破壊された農地と農業施設・農機具を復旧するための公的支援をおこなうこと。被災業者と農家などにたいして、無担保・無利子で、返済期限も長期の緊急融資制度をつくること。
(5)地域医療の拠点となる医療機関の再建にあたっては、思い切った公的支援をおこなうこと。