2004年11月9日(火)「しんぶん赤旗」
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「地震なんかに負けないぞ! 負けたらダメ」「手をつなごう あたたかい手を」。長岡民主商工会(民商)の事務所を訪ねると、筆で書かれた半紙が、あちこちに張られているのが目に入ります。同民商は六、七の両日、なんでも相談会を開きました。
新潟県内から民商の会員たちが応援に駆けつけ、「移動相談会」も登場。「壁にひびが入っているけど、冬を越せるか心配」「壁がはがれ落ちて、隣の家の車を壊した。どうすればいいか」などの相談に、実際に現地に足を運び、喜ばれました。
新発田民商の渡辺一幸さん(45)=建築業=は、被災建築物応急危険度判定士の資格を生かして、相談にのりました。六十代の夫婦は、二日前に避難所から戻ってみると、自宅に「要注意」の黄色い紙が張ってあり、途方に暮れていました。渡辺さんらが自宅を訪ねると、家が傾き、床が波打っていました。夫婦は「年も年だし、建て直すのは無理。でも、雪が降ったら耐えられるかどうか…」と心配顔です。
渡辺さんが家の中と縁の下の基礎部分などを丹念に調べ、「鉄筋が入っているし、四寸角の柱がしっかりしているから、建て直さなくても大丈夫ですよ」と言うと、夫婦は「良かった。安心しました」と笑顔を見せました。
山古志村の村民が避難している長岡大手高校では、生協かんだ診療所の佐藤廣子看護師長と一緒に、相談会のビラを手渡しながら回りました。「朝から微熱が続いている」という高齢の男性は、「毛布が夫婦で二枚しかなく、寒さがきつい」と話しました。佐藤さんが、「すぐに毛布を増やしてもらうよう、伝えますね」と言うと、「あぁ、助かりました」と両手を合わせました。
長岡民商の調査では、市内の民商会員のうち、自宅と店舗・工場が全壊・半壊・一部損壊の被害を受けたのは、四十軒でした。二十五軒の業者が、「営業再開のめどが立たない」と答えています。竹島久一郎事務局長は、「住宅や店舗の心配など、余震が落ち着いてくるこれから、多様な要求が出てくる。よく実態を聞いて、行政に支援策を求めるなどの運動につなげていきたい」と話しています。新潟県商工団体連合会では、九日に県との交渉を予定しています。